研究課題/領域番号 |
19K03629
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 康明 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (50455622)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | パターン形成 / 形態形成 / 反応拡散系 / 数理モデリング / 分岐 / 幹細胞 / 幹細胞ダイナミクス / 分岐理論 |
研究開始時の研究の概要 |
生物の形態形成においては、細胞が周りの組織との接着によって束縛されつつ増殖していくことで特徴的なパターンが生じる。細胞増殖が周辺組織の変形を促すと同時に、増殖能をもつ細胞の密度分布も周辺組織の変形にともなって変化していくため、増殖細胞の層と周辺組織の間には双方向の相互作用が存在する。したがって形態形成を理解するためには、この双方向の相互作用を考慮した理論的な枠組みが必要である。そこで本研究ではやわらかい組織の上で増殖する細胞系における、理論的に扱いやすい一般的な連続体モデルを構築する。モデルの解析を通して、増殖細胞系の形態形成を支配する原理の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
表皮細胞のような柔らかい基盤の上で増殖する細胞系が引き起こすパターン形成を解析するための数理モデルの構築を行った.基底膜上の細胞分裂を接着強度の場として間接的に取り入れ,接着強度の増加による膜変形を記述できる数理モデルの導出に成功した.モデルの解析により,接着強度が大きいところで上向きの突起が形成されることを明らかにした.またモデルを拡張し,塑性変形を記述する基底膜モデルや表皮顆粒層のTJ発現層の数理モデルの数値計算を行い,実験結果をサポートする結果が得られた.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で提案する数理モデルは増殖細胞系の一般的な性質に基づくものであり,3次元の形態形成や多種の化学濃度場とのカップリングなど多くの系に拡張可能なモデルとなっている。従って様々な応用の可能性がある.また生命現象におけるパターン形成の一般的な原理の解明に寄与すると期待でき る。また皮膚科学の実験研究者に対して,数理モデルの予測に基づくフィードバックも与えており,生命科学や医学における学術的波及効果も期待できる。
|