研究課題/領域番号 |
19K03641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
田畑 稔 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 客員研究員 (70207215)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 人口爆発 / 人口消滅 / 核周辺モデル / 短期均衡解の近似 / 人口移動 / 空間進化ゲーム / 解の爆発 / 経済地理学 / replicator equation / spatial economics / evolutionary game / new economic geography / integral equation / population dynamics / 進化ゲーム / 爆発解 / 空間経済学 |
研究開始時の研究の概要 |
空間進化ゲームでは解の収束や解の爆発の結果はいくつか得られている.実際DSKについても単独の人口消滅 (人口分布関数のコンパクト部分集合上のゼロ収束)が起きるための十分条件や,単独の人口爆発(人口分布関数のDiracのδ関数への収束) の十分条件は得られている.しかし異なる場所で同時に起きる解の爆発とゼロ収束は互いに強く影響しあい,消滅単独と爆発単独の現象に比べ非常に複雑である.予想命題が主張する人口消滅と人口爆発の同時発生現象は,多くの数値実験で確認されている.しかし数理解析的研究は全くなされていない.この未解明の現象の数理解析的メカニズムを明らかにするため予想命題を証明する.
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研究実績の概要 |
本研究の主要な目的は,数値実験から導かれる予想命題『単連結領域で急激な人口の流出・流入があると,ある部分領域で人口が消滅し,同時に別の部分領域で人口分布が超関数の意味でデルタ関数に収束する』を数理統計的手法と数値解析的手法を組み合わせて証明することであった.出発点となったのは,Villaniの研究(統計学的手法であるエントロピー法を統計力学の非線型偏微分積分方程式であるBoltzmann方程式へ応用する)であった.この結果を人口移動の精密な数値計算へ応用した(2023年実施).これにより工業賃金分布と農業賃金分布の統計量(期待値,歪度,標準偏差,エントロピー係数,エントロピー相関係数)を計算し(2023年実施),その評価を元の工業賃金分布と農業賃金分布の統計量に逆問題として適用するより精密な数値計算手法を開発した(2023年実施).これを出発点として,2022年に構築した数値計算アルゴリズムを高速化し,これを用いて工業賃金分布(農業賃金分布)の統計量を数値計算し,その評価を元の人口密度と賃金密度に逆問題として適用する数値計算アルゴリズムを高速化した(2023年実施).この高速化されたアルゴリズムを用いて数値計算を実行した(2023年実施).この数値計算結果により予想命題証明の為に,人口密度・賃金密度の統計量を数値的に求める評価式を,パラメータ値を制限するという条件付きで,証明することができた(2023年実施).そしてこの評価式を用いて数値計算アルゴリズムをさらに高速化した(2023年実施). これらの結果を用いて,数値シミュレーションを実行して,いくつかの興味深い工業賃金分布(農業賃金分布)の期待値,歪度,標準偏差の代替弾力性と工業支出割合に対する依存現象を発見することができた(2023年実施).
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