研究課題/領域番号 |
19K03644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
岡 宏枝 (國府宏枝) 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20215221)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 力学系 / 位相的計算理論 / 大域的構造 / モース理論 / パーシシステント・ホモロジー / パーシステント・ホモロジー / モース分解 / ネットワーク結合力学系 / 大自由度 |
研究開始時の研究の概要 |
生命科学などにみられる遺伝子制御ネットワークは,多数のノードからなる大自由度ネットワー ク結合力学系として捉えられ、その数学的理解は応用上極めて重要である。計算機性能の向上により,高次元の変数や多くのパラメータを含む微分方程式の数値シミュレーションにより大量の数値テータを得られるようになったが、それを解析して数学的な結果を導くためには,従来の 数学解析の手法には限界かあり,新しい発想に基つく理論手法が望まれる。 申請者は,位相的方法と計算機援用解析を融合させて力学系の位相的計算理論の研究を進めてきたが、この方法を大自由度ネットワー ク結合力学系に適用するために整備・拡張する。
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研究実績の概要 |
本年度の実績は以下の通りである:1) switching systemは生命科学で扱われる生体分子の制御ネットワーク結合系を区分線形な常備分方程式とその連続系への摂動として捉え、数学的な性質を抽出したものである。研究代表者たちは、今までの科研費研究でこの対象を研究し、かなり広範囲に適用できるようになった。この定式化は、この科研費研究の始まった当初より少しずつ進化しており、この2024年3月のRutgers University の出張で共同研究者との議論でほぼ完成され、論文は1、2ヶ月中に投稿予定である。 2) Rutgers Universityに出張し、論文(Global Dynamics of Ordinary Differential Equations: Wall Labelings, Conley Complexes and Ramp Systems, Mischaikow, Gameiro, Gedeon, Kokubu, Oka, 他)をほぼ完成させた。また、共同研究者であるM.Gameiro氏たちの作ったコンピュータソフトDSGRN (dynamic signatures generated by regulatory networks)の使い方を学び、今後具体的なネットワークについて計算を試みるつもりである。3) いくつかの国際学会TDAweek2023(京都大学)、iciam2023(早稲田大学), KiPDD(慶応義塾大学)、オーストラリア Creswickでの研究会Dynamics and Computationに参加した。これまで、コロナ禍で制限されていた海外渡航の制限がなくなり多くの国際学会が開催され多くの情報交換が出来た。 4) 研究協力者である中川晃成氏と河川測量図のデータを整理した。パーシステント・ホモロジーを用いて解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題:大自由度結合ネットワークのための位相計算理論の整備と応用は平成28年度から令和元年の生命科学における結合力学系の大域的構造解明のための位相計算理論を集大成する目的で始めている。前年度も遅れを本年度も引きずっているが、次年度で集大成できる予定である。遅れている理由としては、前年度の遅れ挽回しきれていないことが大きい。(昨年度の理由は以下のようなものである:引き続くコロナ禍で海外渡航を控えており、オンラインによる共同研究も何度か試みているが、時間調整が難しいこと、コミュニケーション手段に視覚的なものが使いにくく音声による対話が中心であり、Rutgers Univ.において進展している内容を理解するのに手間取り、十分な進展を見るまでに至っていない。国内の研究会においても、議論の回数が減っており、活発な議論ができず、進展に影響していると思われる。)また、個人的なことであるが、申請者は、3月に退職し、生活環境が大きく変わり、コンピュータネットワークの構築等、諸々時間がかかったことなどがある。
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今後の研究の推進方策 |
論文”Global Dynamics of Ordinary Differential Equations: Wall Labelings, Conley Complexes and Ramp System”は本年度中にまとめる予定である。また、この研究を通じて出てきた新たなアイデアは、2023度から始まった科研費研究にて展開するつもりである。
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