研究課題/領域番号 |
19K03645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2021-2023) 京都大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
田崎 創平 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (50713020)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 枯草菌 / コロニーパターン / ライフサイクル / 数理モデル / 遺伝子制御ネットワーク / マルチレベルモデル / 細胞分化 / フェーズフィールドモデル / バイオフィルム / データ同化 / 細胞タイプ制御 / 細菌 / 自己組織化 / データ解析 |
研究開始時の研究の概要 |
真正細菌の細胞集団は、周囲環境の条件や同種・異種の細胞密度などの情報を受けて、多様な形態を自己組織する。本研究では、細菌集団形態の自己組織化のメカニズム解明に向けて、互いに連動するマルチレベルな数理モデルのシステムを創成する。対応する環境条件・変異株での培養計測実験、データ同化手法による高精度予測と計測困難なパラメータの推定、およびマルチスケールデータ解析による提案モデルの評価と改善を行うことによって、集団形態形成機構の解明と予測システムの確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、細菌集団形態の自己組織化のメカニズム解明に向けて、マルチレベルな数理モデルのシステムを創成するべく進めてきた。結果として、2種類のマルチレベルモデリングの手法を構築できた。1つ目は、細胞を球状あるいはカプセル(球端円柱)状の個別要素とし、その他の環境変数は時空間で連続な関数で記述される場とする、ハイブリッドな数理モデルである。このモデルは自由度が大きく、簡単化したい研究対象も多いため、もう一つのモデリングとして、自己密度シグナルに基づくマルチフェーズモデルを構築した。1つ目のモデルに比べれば一定の数学的な解析が可能であり、コロニー形態の分岐を解明するのにも役立つものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多様な要素(細胞)の集団に対する、複数階層を連動させる数理モデルアプローチの例は少ない。それはそのようなマルチレベルな数理モデルの構成方法や取り扱いが難しいからである。しかし生命現象はマルチレベルな構造をしている。複雑な個々の要素のダイナミクスから逃げずに新規モデル化手法を開発することは、一細胞解析の次世代の生命科学を切り拓くのに欠かせない。これは基礎的な細胞生物学や医学のみならず、村落や都市の形成、人間社会形成など、あらゆる自己組織化現象の解析を革新させるものである。そして、開発された数式は既存の数理モデルの枠組みを超えており、さらなる数学理論の発展も期待される。
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