研究課題/領域番号 |
19K03660
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
河原林 透 東邦大学, 理学部, 教授 (90251488)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | トポロジカル欠陥 / カイラル対称性 / 非整数電荷 / トポロジカル構造 / 二次元系 |
研究開始時の研究の概要 |
秩序パラメータの渦(Vortex)構造といった二次元トポロジカル構造に伴って現れる非整数電荷励起について、その普遍性及び基礎特性を解明し、新たな非整数電荷励起の創成とその実験的観測に向けての提案を行うことを目的とした研究です。このような研究は、物性物理学のみならず、広く物理学の基礎に関わる重要かつ興味深い問題ですが、近年では、こうしたトポロジカル構造は、量子計算や量子情報などへの応用という観点からも注目されています。
|
研究成果の概要 |
本研究では、2次元系ディラック粒子系において、トポロジカル欠陥(渦構造)に付随する非整数電荷の値を精密な数値計算により正確に評価し、ランダムネスの効果やディラック・コーンの傾きに対する普遍性を数値的に検証した。具体的には、冷却原子系で実現が期待されている、非可換ゲージ場を持つ2次元格子模型を用いた。この系は、内部自由度を持ち、カイラル対称性を保ったまま傾いたディラック粒子系を実現できるという特徴を持つ。計算の結果、現れた非整数電荷は、カイラル対称性を保存するランダムネスやディラック・コーンの傾きには依存しない幅広い普遍性を持つことがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究のテーマであるトポロジカル欠陥に伴う非整数電荷の研究は、1次元のポリアセチレンにおけるソリトンに付随する非整数電荷の研究に端を発し、グラフェンの発見により、2次元系での渦構造へと研究が進められてきたものである。こうした歴史的な問題に対し、近年の進展が目覚ましい冷却原子系などの新しい実験系への応用を念頭に、非整数電荷の普遍性について、ランダムネスに対する安定性などを具体的に示せたことは、実験での観測に向けた新たな知見として有用であると考えられる。
|