研究課題/領域番号 |
19K03663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 九州大学 (2020-2022) 電気通信大学 (2019) |
研究代表者 |
森 史 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (90525891)
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研究分担者 |
岡田 崇 京都大学, 医生物学研究所, 特定准教授 (10741043)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 複雑ネットワーク / 情報流 / ブーリアンネットワーク / 数理生物学 / 環境適応 |
研究開始時の研究の概要 |
生物が環境に適した情報処理を分子レベルでどのように実現しているのかという問題は、生物学・物理学として非常に興味深い問題である。現在、生体内の様々なネットワークが網羅的にデータベース化されつつあるが、巨大なデータからだけでは、環境適応の原理は見えてこない。本研究では、環境に適した情報出力を可能にしているネットワークの特徴をまず明らかにするために、環境変数を取り入れた制御ネットワークモデルを考え、そのネットワークトポロジーと情報の流れの関係性を記述する理論の構築を行う。続いて、生命ネットワークの構造を解析し、理論で予言されるネットワークの特徴と比較することで、生物の環境適応のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
生物系における環境適応的な情報処理は、神経回路ネットワークや遺伝子制御ネットワークなどの複雑ネットワーク系によってなされている。従って、ネットワークの構造と情報の流れとの関係性を理解することは、生物の情報処理を理解する上で欠かせない。我々は、情報流をパスと呼ばれる情報伝達経路で摂動的に展開する理論を構築し、論文に発表した。また、この理論に適用できる入力シグナルを一般化し、これにより、情報流が入力シグナルの特徴にどのように依存するかが明らかになった。これも論文に発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
川の流れや電流の総量は各経路の流量の和で捉えることができるが、情報の流れはそうはいかない。このため、ネットワーク上の情報の流れを理論的に記述することは一般に難しい。我々は、ネットワーク上の情報流を情報伝達経路同士の掛け算の和で記述する理論を構築することに成功した。さらに、この理論を使って、入力シグナルの特徴と情報流の大きさとの関係性を明らかにした。これらの成果は、環境が変わると振舞が変わる生物系を理解する上で、重要な手掛かりを提供すると期待される。
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