研究課題/領域番号 |
19K03665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
笹本 智弘 東京工業大学, 理学院, 教授 (70332640)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | non-equilibrium / fluctuations / Kardar-Parisi-Zhang / exclusion process / hydrodynamics / large deviation / 非平衡統計力学 / 揺らぎ / 流体力学 / KPZ普遍性 / 可積分系 / ランダム行列 / 保存量 / 非平衡揺らぎ / 揺らぐ流体力学 / 厳密解 / 一般化流体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近年のKardar-Parisi-Zhang(KPZ)方程式や関連するモデル系に対する理解の進展を基礎にして、より一般の非平衡多体系の相転移や揺らぎに関する普遍的な性質を、微視的な統計力学模型に対する厳密な解析と流体力学的手法を組み合わせることにより、より統一的な視点から理解することを目指すものである。またそれらの解析を通して非線形揺らぎあり流体力学のような有効理論の基盤を確立し、非平衡系の普遍的な性質をより一般的な視点から議論する。
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研究成果の概要 |
本研究課題においては、微視的な観点からも流体力学的な観点からも新奇性の高い研究成果を得ることができた。まず微視的な観点からは、Kardar-Parisi-Zhang(KPZ)普遍クラスに属するモデルの揺らぎを調べるのに有益な公式に対し、自由フェルミオンとの関連を見出した。これは今後KPZ揺らぎを示す系の研究で重要となる。また、流体的な観点からは、一般化流体力学(GHD)の枠組みを、非平衡揺らぎを大偏差のレベルで捉える形に一般化した。これは今後保存量が複数存在する系の揺らぎを調べる際重要となる。さらに揺らぐ流体力学を微視的なモデルにおいて初めて検証するという成果も得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
平衡系と比較して、非平衡多体系における揺らぎの研究はまだまだ未発達の部分が大きい。KPZ揺らぎも、一般化流体力学で記述される系も、非線形揺らぐ流体力学も、非平衡多体系において普遍的に現れるものがであることが近年ますます明らかとなってきている状況であり、本研究課題における解析計算を用いた理論的研究成果は、非平衡多体系における揺らぎに関する基礎的な理解を大きく進めるものである。また、非平衡多体系の実験も近年増えてきていることから、本研究の理論的研究成果は今後実験においても検証され、基礎的な役割を果たすことが期待される。
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