研究課題/領域番号 |
19K03677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
高岡 正憲 同志社大学, 理工学部, 教授 (20236186)
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研究分担者 |
佐々木 英一 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (60710811)
横山 直人 東京電機大学, 工学部, 教授 (80512730)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 局所フラックスベクトル / 異種共存乱流 / カスケード / 臨界平衡 / 波動乱流 / 回転乱流 / 成層乱流 / Charney-Hasegawa-Mima乱流 / 自己組織構造 / 縞状構造(帯状流) / エネルギー伝達 / 保存量 / 波数空間 / 非等方性 / 局所フラックス / 非等方乱流 / 波動乱流と渦乱流の共存 / 流体乱流 / エネルギーフラックス / 2次元乱流 / 乱流 / 不安定周期軌道 |
研究開始時の研究の概要 |
乱流は日常生活の至る所で経験する渦や波の複雑な運動で、発達した乱流中でも様々なスケールの自己組織構造が現れる。また、乱流中には不安定であるが周期解があり数値的に求められている。本研究では、3方向に一様な系として回転乱流や成層乱流を、壁があるが2方向に一様な系としてチャネル乱流や球殻内Couette乱流を調べる。実空間における渦や波の動力学とスケール間のエネルギーの流れの関係を調べることで、エネルギー流束に対する自己組織構造の影響の普遍的な機構を考える。また、不安定な周期解と自己組織構造との関係やその不安定モードを調べることで、乱流アトラクターの複雑な「ひだ」に関する知見が得られると考えている。
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研究成果の概要 |
小スケールの一様等方乱流と大スケールの非等方の構造と波動乱流とが一般には共存している。種々の異種共存乱流を調べ、実空間での構造の生成維持機構と波数空間での保存量のカスケードとの関係を明らかにした。 球殻Couette乱流では赤道域と極域に現れる2次元構造の遷移を明らかにし、3次元成層乱流では異種乱流の境界波数を同定する指標を提案した。 非等方カスケードを定量化する局所フラックスベクトルを提案し、3次元回転乱流でエネルギーカスケードに適用し、Charney-Hasegawa-Mima乱流で3重カスケードでのエネルギーとゾノストロフィの逆カスケードの非等方化と自発的に現れる帯状流の関係を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カスケード理論は一様等方乱流の統計理論の根幹をなし、弱乱流理論は波動乱流の根幹をなすが、回転や成層の効果があると、大スケールに2次元的構造が現れる波動乱流と、小スケールに渦管が現れる一様等方乱流とが共存する。このような異種共存乱流を統一的に理解する理論も評価する定量的手法も無かった。 研究成果の一つである局所フラックスベクトルは、異種乱流の時間スケールが同程度となる領域に沿ってエネルギーがカスケードされるという臨界平衡の予想を初めて定量的に確認したのみならず、エネルギー以外の保存量に対しても波数空間におけるカスケードの非等方化と実空間における大規模構造の生成維持との関係を調べることを可能にした。
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