研究課題/領域番号 |
19K03678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
大西 弘明 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (10354903)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | スピン多極子 / 多極子励起スペクトル / カレント相関関数 / 共鳴非弾性X線散乱 / 密度行列繰り込み群 / 数値対角化 / 熱的純粋量子状態 / 八極子励起スペクトル / 四極子励起スペクトル / マグノンクラスター / スピン伝導 / 熱伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
通常の磁気秩序系では、マグノンが結晶中を伝播することでスピン流や熱流を生じることが知られている。一方、スピン多極子状態では、多数のマグノンが束縛状態を作るため、マグノンクラスターがまとまって流れて多くの磁化を運ぶと考えられるが、マグノンクラスターがスピン伝導・熱伝導にどう寄与するのかこれまで検討されていない。本研究では、スピン多極子状態を含む様々な量子スピン相でのスピン伝導・熱伝導特性の類似点と相違点を明確にして、スピン伝導・熱伝導におけるマグノンクラスターの役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
量子磁性体のスピン多極子状態においてマグノンクラスターが流れる効果に着目して、マグノンクラスターによるスピン伝導と熱伝導の輸送特性、および多極子励起スペクトルの磁気特性について、計算物理的手法を駆使して調べた。高次の多極子まで含めた系統的な解析により、輸送特性と磁気特性の関係を明らかにした。特に、スピン流の流れやすさは、まとまって流れるマグノン数で単純には決まらず、多極子励起の分散構造などの磁気特性と深く関係していることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピン多極子状態では複数のマグノンが束縛されたマグノンクラスターが角運動量を運ぶため、磁気秩序系でマグノンが角運動量1を運ぶよりも、効率的にスピン流を生成できる可能性がある。本研究では、量子磁性体の新奇な磁気励起子であるマグノンクラスターが関与するスピン伝導・熱伝導の特徴を明らかにしており、新奇量子相を探索する量子スピン系分野と、高効率なスピン・熱輸送特性を持つ磁性体の開発を行うスピントロニクス分野の融合的研究の発展に寄与している。
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