研究課題/領域番号 |
19K03684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
越野 和樹 東京医科歯科大学, 教養部, 准教授 (90332311)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 導波路QED / 超伝導量子計算 / 量子光学 / 量子制御 / 量子エレクトロニクス / 応用光学・量子光工学 / 量子コンピュータ |
研究開始時の研究の概要 |
超伝導人工原子とマイクロ波との結合系である回路量子電気力学系では,導波路端での境界条件を連続的かつ高速にその場制御することができる.これは,原子からマクロに離れた電流によって,原子と導波路との結合のオンオフを遠隔操作する可能性に繋がる.本研究では,量子光学理論の立場から,導波路端での可変境界条件を活用した新たな量子現象を模索し,量子デバイス(長寿命量子ビット・単一光子源・マイクロ波光学素子など)への応用を図る.
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研究成果の概要 |
二準位原子が導波路に強く結合した系において導波路から共鳴光を入射すると,入射光が弱い際には原子は入射光を完全に反射する一方,入射光が強い際には原子は吸収飽和を起こすため入射光をほぼ完全に透過させる.換言すると,二準位原子は光強度に応じて異なる境界条件を与える.これを利用して,量子ゲート時間と量子ビット寿命に普遍的に存在するトレードオフの関係を打破するジョセフソン量子フィルタを提案した.本フィルタは原子が二準位系ではなく多準位系であっても問題なく作用する.また,本フィルタを用いて超伝導量子ビットに付随する二本の導波路(制御ライン,読み出しライン)を統一することも可能である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
集積化された固体量子ビットを用いて量子計算を遂行するためには,個別アクセスのために個々の量子ビットに導波路を結合させ,そこから制御パルスを照射する.ゲート時間を短くするためには量子ビット―導波路結合は強いほうが良いが,量子ビットの寿命を長くするためには量子ビットの導波路への輻射緩和を防ぐ必要があり結合は弱いほうが良い.このように,ゲート時間と量子ビット寿命にはトレードオフの関係がある.本研究で提案したジョセフソン量子フィルタはこのトレードオフを解消するものであり,超伝導量子計算の実現可能性を拡げるものである.
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