研究課題/領域番号 |
19K03688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
余越 伸彦 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90409681)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | スピントロニクス / 光渦 / 半導体量子井戸 / カイラル磁性体 |
研究開始時の研究の概要 |
軌道角運動量もつ光(光渦)はその特徴的な空間構造により、物質に照射すると通常とは異なるバンド間光学励起を起こす。このことは、光の軌道角運動量が物質内の電子を操作する新しい自由度となりうることを示唆する。光の軌道角運動量の情報を受けた光電子により物質中の磁気を生成・変調することが可能となれば、科学的興味のみならず、磁気デバイスの新しい情報処理技術の開発へと波及する可能性も持つ。対象として光渦を照射された半導体量子井戸と金属カイラル磁性体を想定し、電子やその集団励起(スピン波)の分散関係を導出する。そこから多電子系の熱力学的性質を明らかにし、さらにスピン流・スピン蓄積について理論的解析を行う。
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研究成果の概要 |
軌道角運動量をもつ光(光渦)はその特徴的な空間構造をもち、物質に照射すると通常とは異なる光学遷移を起こす。光渦ビームを照射された物質の光学遷移選択則を利用することで、物質中の伝導電子やスピン波などの励起状態を定性的に変化させられることを明らかにした。具体的には半導体量子井戸や単層遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)、カイラル磁性体を対象として励起状態の分散関係における光渦照射の効果を明らかにした。これらの効果は全て光渦由来の新しいスピン-軌道相互作用の出現として理解することができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、光渦照射により新しいタイプのスピン-軌道相互作用を発生させ、それにより物質の磁気秩序を制御する可能性を示したものである。スピン-軌道相互作用はスピントロニクス技術の要であり、光渦のオン/オフで制御できる相互作用の存在は学術的に大きな意義があるものと考える。またこの試みは、光の軌道角運動量が物質内の伝導電子に新しい自由度をもたらすことを意味し、光渦照射により物質中の磁気を生成・変調することは学術的意義に止まらず、磁気デバイスの新しい情報処理技術の開発への社会的波及効果も持つと考える。
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