研究課題/領域番号 |
19K03689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大橋 洋士 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60272134)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 非平衡状態 / 強結合効果 / 量子多体効果 / BCS-BECクロスオーバー / 超流動 / フェルミ原子気体 / 光格子 / 非平衡グリーン関数 / 非平衡定常状態 / FF状態 / NSR理論 / 平均場理論 / 強相関効果 / 安定性解析 / 1粒子励起スペクトル / 対形成揺らぎ / T行列理論 / ケルディッシュグリーン関数 / フェルミ原子ガス / 非平衡現象 / 強結合理論 / Kedysh理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「超伝導・超流動現象や強相関電子系の電子状態など、粒子の量子性と相互作用が共に重要となる量子多体状態はどのように形成されるか?」を、非平衡状態にある冷却フェルミ原子気体の高い操作性を駆使し理論的に解明することを目指す。熱平衡状態にあるフェルミ原子気体のBCS-BECクロスオーバー現象の研究で発展してきた強結合理論を、非平衡・非定常状態に拡張する。フェッシュバッハ共鳴を使い自由フェルミ原子気体に粒子間相互作用を突然印可した後、時間経過とともに自由粒子系がどのような過程を経て、BCS-BECクロスオーバー領域の量子多体状態に移行していくかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
非平衡状態にある2成分フェルミ原子気体を理論的に研究、熱浴の効果で生じた粒子の運動量分布の2段構造により、Fulde-Ferrell状態に類似した新奇超流動状態が現れることを指摘しした。また、それが安定に存在できる領域を、相互作用・温度・化学ポテンシャル差の相図上で特定した。併せてbi-stabilityが発生する領域が存在することも明らかにした。更に、相図中に現れる秩序状態の時間発展を研究し、どのように安定して状態に移行するか、あるいは不安定化し崩壊するかを数値的に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非平衡状態にあるフェルミ原子気体において、Fulde-Ferrell状態に類似の超流動状態がスピンインバランスなしで安定に実現しうることが明らかになったことは、様々な分野で進んでいるFulde-Ferrell超流動の実現に向けた研究に大きなインパクトを与える成果であり、学術的意義は大きい。フェルミ原子気体で実現する超流動は、金属超伝導と物理的に同じであることから、本研究の成果は、技術的応用が期待される超伝導研究の発展にも貢献するものとして、社会的意義もあると判断できる。
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