研究課題/領域番号 |
19K03691
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
土屋 俊二 中央大学, 理工学部, 准教授 (80579772)
|
研究分担者 |
山本 大輔 日本大学, 文理学部, 准教授 (80603505)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | フラットバンド超伝導 / 光格子 / ペア密度波 / ヒッグスモード / エンタングルメントエントロピー / スピン流 / 測定型量子計算 / エンタングルメント / レニーエントロピー / クエンチダイナミクス / フラットバンド / ダイナミクス / 超伝導 / SU(3)ハイゼンベルグ模型 / フラットバンドを持つ光格子 / 多成分超伝導体 / スピン自由度を持つボース超流動体 / 冷却原子気体 / 量子シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
フラットバンドを持つ物質は高温超伝導体の候補として期待され, その超伝導状態の理解は, フェルミ面を必要としない新たな超伝導機構や, 強い電子相関の下での新奇超伝導物性の創発にも繋がる可能性がある. 本研究では, 近年の冷却原子気体の実験の進展やその高い操作性に注目し, フラットバンドを持つ系の超伝導の可能性について, 光格子中の冷却フェルミ原子気体を用いてシミュレートを行う. 特にフラットバンド系超伝導において予想される, 空間的に非一様な新奇超伝導相の存在を提唱し, その超伝導特性を解明すると共に, 実際の実験において非一様超伝導相を観測する条件, 測定すべき物理量について提案を行う.
|
研究成果の概要 |
フラットバンドを持つ系の新奇な超伝導状態を、光格子中のフェルミ原子を用いてシミュレートするため、本研究ではLieb光格子を対象に、引力ハバード模型を用いて超伝導状態の解析を行った。フラットバンドを持つフィリングで、超伝導ギャップの値が副格子によって異なるペア密度波超伝導状態が現れ、それが斥力ハバード模型のフラットバンド強磁性と関連があることを見出した。また、更により広い視点から、フラットバンド超伝導体の関わる多様な物理について、特に超伝導体におけるヒッグスモード、スピン1ボース凝縮体のスピン流、光格子中のボース粒子のエンタングルメントダイナミクス、測定型量子計算機への応用などについて調べた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フラットバンドという特徴を持つ超伝導物質は、高い温度で超伝導になるなど、様々な興味深い性質を持つことが予想されている。最近の実験では、レーザーで作った周期である光格子に冷却した原子を閉じ込めることで、固体中の電子と同じ状況を作り出し、超伝導状態を人工的な系でシミュレートすることが可能である。本研究では、そのような系を想定しフラットバンドを持つ超伝導状態について理論的に調べ、ペア密度波という空間的な秩序を持つ新奇な超伝導状態が現れる可能性があることを発見した。ペア密度波状態は高温超伝導体において見られている。この研究によりフラットバンドを持つ超伝導体と高温超伝導体との強い関連が明らかになった。
|