研究課題/領域番号 |
19K03693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
布施 智子 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所小金井フロンティア研究センター, 主任研究員 (00587925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 回路量子電磁力学 / 超伝導量子回路 / 超強結合 / 深強結合 / circuit QED / 量子ビット / 超伝導回路 |
研究開始時の研究の概要 |
超伝導量子ビット-マイクロ波共振器結合系における、マイクロ波のシュレディンガー猫状態の制御を行う。特に、(1) 量子系のパラメータを変調することにより、従来の方法に比べ高速に、平均光子数の大きなシュレディンガー猫状態を生成すること、(2) スピンエコーやダイナミカルデカップリングの方法で、結合系の非線形性によるマイクロ波状態の位相緩和を回復すること、をねらう。
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研究成果の概要 |
量子ビット-調和振動子結合系では、結合が非常に強い場合、基底状態がシュレディンガー猫状態となることが予言されている。 本研究では、実際に用いるキャパシタ、インダクタ、ジョセフソン接合から成る超伝導回路が、量子ビット-調和振動子結合系として記述できること、量子ビット-調和振動子結合系が外部の系に結合している場合でも結合の種類(電気的・磁気的)によっては結合系の基底状態の“量子性”の消失を抑えることができることを示した。さらに、超伝導量子ビットーマイクロ波共振器結合回路の超強結合領域においてコヒーレンス測定を行い、位相緩和時間300 ns程度のRamsey干渉を測定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、超強結合から深強結合と呼ばれる非常に強い結合領域における、量子ビットー調和振動子結合回路の特性の一部を明らかにすることができた。特に深強結合領域ではこれまで、量子ビットが調和振動子(光子)との非常に強い結合により光子数揺らぎの影響を強く受けコヒーレンスの消失につながることが危惧されていたが、本研究ではRamsey干渉の観測に成功しコヒーレントな状態発展を示すことができた。今後このような非常に強い結合領域における未知の物理現象を研究し、量子コンピューティングや量子センシングへと応用していく上で大きな意義のある結果が得られた。
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