研究課題/領域番号 |
19K03697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
島津 佳弘 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70235612)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 層状半導体 / 電界効果 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 2硫化モリブデン / pn接合 / 2次元物質 / イオン液体 / pn 接合 / 電界効果トランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
2次元半導体結晶において、イオン液体(室温でも液体として存在する塩)と静電場を利用して、キャリア密度(伝導電子やホールの密度)を変化させ、それによって半導体デバイスの基本要素である pn 接合を形成することができる。本研究は、電極に用いる金属の組み合わせを最適化することにより、系のフェルミエネルギー(電子が占有するエネルギー準位の最大値)や2次元物質内でのバンドの曲がりを制御し、従来の手法の限界を超えた革新的な電場誘起半導体デバイスの開発をめざすものである。
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研究成果の概要 |
2硫化モリブデン(MoS2)を使った電界効果トランジスタ(FET) デバイスの伝導特性における電極の影響を調べた。FET 制御のためのゲート電圧として、バックゲート電圧とトップゲート電圧の両者を利用した。Al 電極の素子においては、キャリア密度が Au 電極の場合の約10倍であることをホール効果測定により初めて実証した。Au、Pd、Ti、Al 電極の素子の伝導特性を比較し、仕事関数の値によってフェルミエネルギーが制御されていることを示す実験結果を得た。温度依存性の測定結果は、Pd 電極が、電気2重層トランジスタ や電場誘起 pn 接合の電極として優位性をもつことを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
主としてシリコンを利用する従来の半導体デバイスの高密度化には限界が近づいているが、原子数個の厚さをもつ層状半導体物質を利用することで、更なるデバイスの高密度化・微細化が可能であると考えられる。本研究の成果は、層状半導体物質デバイスの性能向上が、適切な電極の使用によって実現できることを示すものであり、将来の半導体デバイスの高度化に大いに貢献するものである。これまでにほとんど知られていなかった、電極によるキャリア増大効果を明確に示した点は、学術的意義が大きいものである。
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