研究課題/領域番号 |
19K03702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
東 純平 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 准教授 (40372768)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 光電子分光 / レーザー / 時間分解光電子分光 / 非線形光学応答 / 励起電子状態 / 非線形光学現象 / 装置開発 / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
角度分解光電子分光法は物質内部の電子の状態密度だけでなく電子の運動量まで調べる事が可能であり,電子状態の三次元的なバンド構造を実験的に決定することのできる非常に強力な手法である.これら従来の角度分解光電子分光の手法に加えて,光源として超短パルスレーザーを用いることにより,非占有電子状態の電子・スピン構造やその過渡的な時間応答,緩和過程までも調べることが可能となりつつある. 本研究では12 eV以下の窓有り領域において高繰り返しで三次高調波を発生可能且つ長期間安定使用が可能な高効率のガスセル開発を行い,それを用いた時間分解光電子分光システムの開発を行う.
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研究成果の概要 |
時間分解光電子分光測定に用いる三次高調波発生システムを製作し,性能評価を行った.三次高調波発生システムのガスセルにXeガスを200 Torrの圧力で封入し,420 nmのレーザー光を100 mW以上入力すると,生成された三次高調波により毎秒6×10の8乗個以上の光電子を励起可能であることが確かめられた.今回製作したガスセルとTi:sapphire再生増幅器との組み合わせでは8.9eVの三次高調波を安定に出力可能である.これにより,時間分解光電子分光測定のエネルギー範囲と波数範囲を広げる事が可能となり,より幅広い物質の励起電子状態を調べる事が可能となる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガスセルを用いた三次高調波発生による時間分解光電子分光システムは現在も開発が進められている.2020年にはYb系レーザーを用いて10.8 eVの三次高調波を発生させるシステムが二つの研究グループから出されている.本研究で製作した三次高調波発生システムのガスセルもYb系レーザーにそのまま対応可能であり,レーザーの導入によって更なる性能向上が期待される.ガスセルを用いた6~11 eVのエネルギー領域においてはMgF2単結晶の複屈折性を利用した円偏光発生用の1/4波長板も実用化されており,レーザーの円偏光とスピン検出器を組み合わせた時間分解スピン分解光電子分光への更なる応用,波及効果も期待できる.
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