研究課題/領域番号 |
19K03715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
井村 敬一郎 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (10444374)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 価数揺動 / 準結晶 / 近似結晶 / 発光分光 / 量子臨界現象 / 磁性 / クラスター |
研究開始時の研究の概要 |
バルク物質と孤立原子の中間の性質を持つ原子集団(クラスター)の機能制御には、元素ドーピングが主に用いられるが、ドープ可能な元素の選択に制限があるなど課題も多い。本研究では、「Tsai型クラスター」と呼ばれる原子集団で構成される準結晶・近似結晶に着目し、外部パラメータの制御により、連続的なサイズチューニングを試みることで、ミクロな電子状態とマクロに発現する物性との関連を明らかにする。特に、クラスターを構成する希土類元素の価数と磁性について調べ、マクロ物性制御の方法を実証すると共に、強相関電子系・準結晶分野における未解決問題である「非従来型量子臨界現象」の起源の解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究では、Tsai型クラスターと呼ばれる原子集団を構成要素に持つ、準結晶・近似結晶の電子状態と磁性について調べた。外部圧力や元素置換を施すことにより、Tsai型クラスターのサイズを変化させることで、クラスター中の希土類イオンの価数状態が急激に変化する、特徴的なサイズを明らかにした。また、その臨界サイズにおいて、磁化率が温度に対して冪発散する事を明らかにした。これにより、イオン価数の揺らぎと、特異な磁気的特性に強い関連性があることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、強相関電子系の知見をベースに、希土類イオンを含む準結晶・近似結晶における電子状態と磁気特性を調べることで、価数揺らぎと量子臨界現象の関連について明らかにしたものである。その結果、準結晶が外部パラメータに対して強固な量子臨界性を示す事を明らかにした。本成果は、従来の周期結晶における考え方とは異なる概念を構築するものであり、新たな研究領域を確立できる学術的意義を持つ。
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