研究課題/領域番号 |
19K03717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下司 雅章 大阪大学, エマージングサイエンスデザインR3センター, 特任准教授(常勤) (70397660)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 高圧物性 / 第一原理計算 / 結晶構造探索 / 構造探索 / 高圧相 / 大規模系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、第一原理計算に基づいて大規模系で実用的な時間で最安定構造を探索できる方法を開発する。従来の方法は、比較するそれぞれの構造を最適化する計算にほぼ全ての時間がかかっているので、不要な計算を止めて必要最低限の計算で最安定構造を見つける方法を開発し、これを超伝導を発現する金属水素化物や硬質材料、磁性材料に応用して、新物質の提案をする。
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研究成果の概要 |
未知の結晶構造を第一原理計算に基づいてできる限り最小限のコストで探索する方法として、初期構造をランダムに生成して1回のエンタルピー計算から選択したものだけ最適化する方法と、空間群を網羅して探索する方法を組み合わせ、できる限り探索漏れがないようにする方法を確立した。これをTe、S、Se、Sn、P、As、Sbなどの新高圧相探索に適用した。重要な点として、カットオフエネルギーやk点サンプリングで決まる計算精度が極めて重要であり、擬ポテンシャル法で行う場合は擬ポテンシャルが最も精度の高い方法であるFLAPW法と十分一致していることを確認した信頼性の高い計算で行わなければならないことを明かにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、数百コアレベルの規模の計算機で合理的な時間内で構造探索を行う方法を確立し、大規模系へ展開できる方法の基礎を築いた。それに加えて、構造探索においてカットオフエネルギーやk点サンプリングで決まる第一原理計算の計算精度の重要性を示し、また通常用いられる擬ポテンシャル法も、最も計算精度が高いFLAPW法と結果を比較することの重要性も示した。これは、データ創出を急ぐあまり信頼性を欠く結果で作られたデータは無意味になることでもあり、信頼性の高い計算を実施していくことの重要性を明らかにしたことの意味は大きい。構造の安定性を、電子論から理解することの意義を示したことも学術的にに重要である。
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