研究課題/領域番号 |
19K03718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
堀金 和正 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (10406829)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 超伝導 / 中性子回折 / 鉄系超伝導体 / 中性子 / 磁気励起 / パルス中性子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は鉄系超伝導体Ca1-xNaxFe2As2におけるスピンダイナミクスの全容をパルス中性子を用いて研究し、これまでの研究で見出した鉄系超伝導体Ba1-xKxFe2As2のスピン揺動と超伝導の関係および遍歴-局在2面性の普遍性を明らかにする。更に超伝導転移温度(Tc)と強い相関性が報告されているAs-Fe-As結合角αにも着目し、αの異なるCa1-xNaxFe2As2およびBa1-xKxFe2As2を比較検討することによりスピン揺動と超伝導の相関関係を構造の観点から再検討する。
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研究成果の概要 |
本課題ではNaAsをフラックス剤として用い、フラックスの比を制御することによりこれまでに報告されている結晶サイズを約100倍程度増大させ、中性子実験を実施することを可能にした。また、Na濃度x=0.56(Tc=33.4K)における中性子散乱実験では、過去に実施したBa系と同様に200meVにわたる磁気励起が観測されるなど多くの傾向が一致しており、交換相互作用JとTcとの間に相関関係を示した。また、磁気励起の分散関係はL方向にも明確な分散関係を有していることが判明し、Ca系ではBa系と比較してc軸長が短いため、強い3次元相関が頑強に残っていることを示していることが明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでCa系の単結晶育成の報告はいくつかなされているが、その結晶サイズはミリオーダーと非常に小さく、非弾性中性子散乱実験が困難とされて来た。本研究課題ではNaAsフラックスの比を制御することにより cmオーダーの大きさの単結晶育成を成功させ、中性子実験を実施することを可能にした。 また、中性子実験により明らかにした最適ドープ領域の磁気励起および磁気相図の結果から磁性と超伝導の強い相関関係を示すと共に、キャリアドープにより磁気秩序は抑制されるが最大のTcを示すx=0.56においても非常に微弱であるが磁気散乱が観測され超伝導と磁性の共存が観測された。
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