研究課題/領域番号 |
19K03734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
柴山 義行 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20327688)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 量子渦 / 渦輪 / 超流動ヘリウム / 低温物理学 / 巨視的量子効果 / 巨視的量子現象 / 強相関ボース凝縮体 / 超流動 / 量子流体 |
研究開始時の研究の概要 |
量子渦は超流動ヘリウムをはじめとするボース凝縮体に特有な巨視的量子状態の1つであり,その生成消滅,再結合過程はボース凝縮体のダイナミクスに深く関わる.この量子渦の生成消滅,再結合過程の解明には,数,形状,運動方向の全てが良く制御された量子渦発生法の実現が重要となる.渦がドーナツ状に閉じた形状を持つ渦輪は,自身の径のみで決まる自己誘導速度で等速直線運動を行うという特徴を持つ.本研究では超流動ヘリウム4中に『良く制御された量子渦輪』を発生できる量子渦輪発生器を開発し,ボース凝縮体のダイナミクス解明のために新たな実験手段の実現に取り組む.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は超流動ヘリウム4中にサイズ,数,運動方向を制御した量子渦輪を発生できる量子渦輪発生器を開発し,量子渦のダイナミクスを解明する新たな実験手段を実現することである.試作した量子渦輪発生器(ノズル径φ0.3 mm)を超流動および常流動ヘリウム中に浸しその振動特性の挙動の違いから,量子渦輪発生の有無を検証した.常流動中では圧電振動板の振動振幅は単に励起電圧に比例するだけだが,超流動中ではある閾値以上の励起電圧で振動振幅やQ値が大きく減少することを見出した.他研究グループの振動細線による量子渦輪発生実験と同様な現象であり,本装置でも量子渦輪が発生していることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,数,形状,運動方向全てを制御した量子渦輪を発生できる量子渦輪発生器の開発に取り組んだ.これまでこれら全てを制御した量子渦発生法は確立されていない.この実現が本研究の学術的意義である.この量子渦輪発生器を複数設置することで,量子渦輪同士の衝突実験が可能となる.さらに2006年にLathropらが報告した量子渦可視化と組み合わせることで,計算機シミュレーションで予言されている量子渦の衝突や再結合過程を直接検証する研究に発展させることが可能となる.本研究により良く制御された量子渦発生法を確立することで,ボース凝縮体のダイナミクスの実験的研究に新たなアプローチをもたらすことが可能となる.
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