研究課題/領域番号 |
19K03743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
神原 浩 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (00313198)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ルテニウム酸化物 / 水素吸着 / 界面敏感プローブ / 界面電気抵抗 / 酸化還元反応 / 水素還元 / 電気伝導 / 界面敏感 / 水素吸着・吸蔵 / 接合系 / スピン依存伝導 / 表面界面磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,金属強磁性ルテニウム酸化物SrRuO3が室温以下の低温で水素雰囲気下に置かれたとき,SrRuO3の電子状態がどのように影響を受けるのかを,強磁性状態におけるスピン依存電気伝導をプローブとして調べるものである。界面への水素吸着に対しては界面敏感な3端子電気抵抗測定を,内部への水素吸蔵に対してはブレーク接合を介しての電気伝導特性測定を行い,SrRuO3の水素吸着・吸蔵による新たな電子状態を検出する。
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研究成果の概要 |
本研究では,金属ルテニウム酸化物の焼結体試料を用いて,酸化物が室温付近・還元剤雰囲気下で受ける影響について電気伝導をプローブとして調べてきた。バルク敏感(4端子法)と界面敏感(3端子法および点接触法)の測定方法を適用することで,試料内部と界面を分離して電気抵抗の時間変化を測定した。その結果,室温という低い温度でも,表面/界面では,還元剤雰囲気(水素または一酸化炭素)下で界面抵抗が上昇し,酸素欠損(還元)が起きていること,逆に,界面抵抗上昇後,酸素雰囲気下では酸素充填(酸化)の過程が起きていることを明らかにした。反応速度論を応用した解析から,界面での反応速度定数と活性化エネルギーを評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素雰囲気下でも室温では温度が低いため通常,酸化物は還元されないが,本研究では界面で徐々に反応が進行していることを電気抵抗測定により明らかにした。本研究では金属ルテニウム酸化物に対して,バルク(試料内部)敏感と界面敏感の手法でそれぞれの電気抵抗測定から,バルクと界面の応答を分離・抽出することが可能であることを示した。室温・水素雰囲気下では,試料内部は影響を受けないが,界面抵抗は連続的に上昇し,逆に酸素雰囲気下では界面抵抗は元の値へ減少していく。界面での酸素欠損の時間変化を反応速度論の応用で解析できることを示しただけでなく,界面敏感プローブが化学反応の分析ツールとして有用であることも示した。
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