研究課題/領域番号 |
19K03749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2020-2022) 広島大学 (2019) |
研究代表者 |
岩澤 英明 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, 上席研究員 (90514068)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 角度分解光電子分光 / 銅酸化物高温超伝導体 / アンドレーエフ束縛状態 / 光電子顕微分光 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
銅酸化物高温超伝導体におけるアンドレーエフ束縛状態の存在は、トンネル分光により広く実証されてきた。しかし、原理的には、アンドレーエフ束縛状態を直接的に観測出来る角度分解光電子分光(ARPES)を用いた報告例は存在しない。このことは、ARPES実験に必要な平坦な試料表面の作成が、銅酸化物高温超伝導体の(110)面では困難であったことに起因している。そこで本研究では「試料の微細加工」・「試料のへき開・破砕の工夫」・「顕微ARPES」を組み合わせることで「非容易へき開面でのARPES手法」を確立する。これにより、銅酸化物高温超伝導体の(110)面に現れるアンドレーエフ束縛状態を直接観測する。
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研究成果の概要 |
銅酸化物高温超伝導体の(110)面におけるアンドレーエフ束縛状態は、理論計算やトンネル分光により広く実証されてきたが、原理的には観測可能な角度分解光電子分光(ARPES)を用いた報告例は存在しない。これは非容易へき開面である(110)面でのARPES測定が困難であったことに起因すると推察される。そこで本研究ではマイクロ集光した放射光ARPESを活用することで、非容易へき開面の(100)/(110)面でのARPES測定を実現した。また、機械学習を用いた顕微ARPESデータ解析手法の開発により、不均一試料表面での顕微ARPES計測の効率化と高速化に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、顕微ARPESを活用することで、非容易へき開面でのARPES測定を確立し、銅酸化物高温超伝導体の(100)面および(110)面の電子状態の観測に成功した。また、機械学習を用いた顕微ARPESデータ解析手法を開発し、顕微ARPES計測の効率化と高速化に成功した。本研究により高度化した計測・解析技術は、界面におけるアンドレーエフ束縛状態や、局所領域において存在が予測される高次トポロジカル絶縁体などの顕微観測にも大きく貢献できると考えられるため、波及効果も大きい。
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