研究課題/領域番号 |
19K03751
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
宍戸 寛明 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80549585)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ワイル半金属 / 近藤トポロジカル絶縁体 / 人工超格子 / SmB6 / トポロジカル絶縁体 / 薄膜育成 |
研究開始時の研究の概要 |
ワイル半金属は新たなトポロジカル相として近年盛んに研究されている.当初の理論的な予想ではトポロジカル絶縁体と通常の絶縁体の超格子構造を作り,空間反転対称性もしくは時間反転対称性を破ったときに実現されるというものであった.しかしながら超格子構造によるワイル半金属の実現は未だに報告されていない.本研究ではトポロジカル近藤絶縁体SmB6と通常の絶縁体SrB6とCaB6の3層を積層させ,反転対称性を破ったトリコロール人工超格子を作製し,ワイル半金属を実現する.あるいはSmB6/SrB6人工超格子上に電気2重層トランジスタを作製し,電場印可により反転対称性を破ったワイル半金属を実現する.
|
研究成果の概要 |
トポロジカル近藤絶縁体であるSmB6超薄膜に対し,イオン液体を用いて5 Vまでの電場印可を行った.2 Kまでの電気抵抗率測定を行ったが,電場を印可していない場合との明瞭な差異は確認されなかった. Si基板上にCaB6層,SmB6層,SrB6層を順に積層させ,この構造を複数回繰り返した人工超格子の作成に成功した.この人工超格子の電気抵抗率を2 Kまで測定した.電気抵抗率は降温と共に増大し,10 K以下で増大が抑制された.また、2 Kで弱い正の磁気抵抗を示した.これはSmB6膜が弱い負の磁気抵抗を示すのとは明確に異なる.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トポロジカル絶縁体はバルクには絶縁体であるが表面にだけ伝導電子が存在する.SmB6はそのようなトポロジカル絶縁体の一種である.トポロジカル絶縁体のSmB6の薄膜を作製し,電場を印可する,同じ結晶構造を取るCaB6, SrB6とSmB6を順番に積層する,の2通りの方法でSmB6の空間反転対称性を破ることを試みた.ここで空間反転対称性を破るとは,電場方向あるいは積層方向に極性を付けることを意味する.これにより高い移動度で電荷を運べる準粒子を実現できる可能性がある.本研究ではその実現可能性について検証を行った.
|