研究課題
基盤研究(C)
本研究では,強スピン軌道結合と電子相関の協奏により特異な状態が発現している,または発現する事が期待される 5d 電子系化合物群に対して,バルク・表面に選択的に敏感な電子分光および磁性に敏感な分光手法を駆使して電子構造を明らかにし,電子相関強度の変化により実現すると考えられる「スレーター絶縁体・モット絶縁体転移」や「量子異常ホール絶縁体・モット絶縁体転移」などの相関誘起量子相転移の実験的検証を行うとともに,その詳細を明らかにすることを目指す.
重い原子に由来する電子の強いスピン軌道相互作用と局在化した電子軌道に由来する電子相関の協奏により特異な状態が発現していると考えられる5d電子系化合物群に対して,高輝度放射光硬X線の特性を活かして固体内部の電子構造の磁気転移によるわずかな変化を高信頼度で明らかにした.高いエネルギー分解能や波数分解測定を必要とすることなく,これら物質群の電気的絶縁性の起源を評価可能にする手法を確立した.
本研究では近年注目されている強スピン軌道結合物質において,結晶構造の次元性のクロスオーバー領域(擬2次元から3次元)において実現している絶縁体の起源が,高いエネルギー分解能や波数分解を行う長時間の観測なしに,電子の局在・遍歴の両極限におけるモデルで大別可能であることを示した.また,定量的知見が得られることも明らかとなり,従来の物性評価手法に新たな選択肢を提示したことに意義を見出せる.
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