研究課題/領域番号 |
19K03754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
安塚 周磨 広島工業大学, 工学部, 教授 (80382034)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 水素吸蔵金属 / 超伝導 / 格子欠陥 / 水素吸蔵合金 / パラジウム / コットレル雰囲気 |
研究開始時の研究の概要 |
代表的な水素吸蔵金属であるパラジウムに水素を吸蔵させるために軽水,重水を用いた電解チャージ法がしばしば用いられるが,本研究では,直流電圧に微小振幅の交流電圧を重畳させることで,水素の急速・高密度吸蔵現象の可能性を探る。特に,正弦波,矩形波,三角波といった様々な波形に対して,広範な周波数域での水素吸蔵の交流応答を系統的に調べる。 さらに高濃度領域x > 1におけるPdHxおよびPdDxの試料作製を行い,それらの電子輸送現象を実験的に明らかにする。PdHxおよびPdDx(x > 1)の物性開拓は,高デバイ温度に由来する高温超伝導発見の可能性を秘めており,その意義は大きい。
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研究成果の概要 |
電子格子相互作用に由来する従来型のs波超伝導体においては,試料内に含まれる磁性不純物の存在が超伝導状態を不安定化させるが,非磁性不純物であれば不安定化することなく,超伝導状態においてゼロ抵抗が実現する。本研究で注目した水素吸蔵金属PdDxにおいて発現する超伝導状態に対しては,水素と格子欠陥の相互作用により,超伝導状態が安定化する可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで発見されてきた高温超伝導体の多くは,いわゆる強相関電子系で実現しており,典型的なフォノン媒介機構では説明がつかないとされている.一方で,すでにある程度確立したフォノン媒介超伝導理論にもとづき新たな高温超伝導体を探すという試みも多くの研究者によりなされてきた.水素吸蔵金属において発現する超伝導状態の理解は高デバイ温度に由来する高温超伝導発見の可能性と機構解明につながると期待され,その意義は大きい。
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