研究課題/領域番号 |
19K03757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小笠原 剛 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00392598)
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研究分担者 |
山口 明啓 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (70423035)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 磁気イメージング / 磁化ダイナミクス / 時間分解磁気光学顕微鏡 / 磁区ダイナミクス / スピン起電力 / 磁気光学顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
スピン起電力は、磁性体におけるスピンの空間的・時間的変化によってつくられる実効的電磁場による起電力で、スピン自由度を介したエネルギー変換の一つとして注目されている。本研究では、高分解能の磁気光学顕微鏡を用いて磁化ベクトルの運動を時間・空間分解観察すると同時に、スピン起電力の発生を電気的に検出し、その関係を直接的に評価することを試みる。これにより、大きなスピン起電力の発生が期待される複雑な磁区構造を持つ系における実験的研究を可能にする。
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研究成果の概要 |
本研究開始以前に開発した高分解能磁気光学顕微鏡を基礎とし、パルス半導体レーザーを照明光源とする時間分解磁気光学顕微鏡を構築した。従来の時間分解磁気光学顕微鏡に比べ、高分解能であるだけでなく、磁化ベクトルの3成分を同時に測定可能であり、安定で測定の柔軟性も高い装置とすることができた。 一辺数μmのパーマロイ薄膜矩形構造に数十MHz程度の高周波磁場を印可し、渦状磁区が旋回運動をする様子を、上記装置を用いて観察することに成功した。半導体レーザー光源を用いたことにより、磁区ダイナミクスの励起周波数依存性を測定することが可能となり、磁気渦の旋回運動が共鳴を示す様子を観察することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高性能の時間分解磁気光学顕微鏡装置を開発した。時間分解磁気イメージングはスピントロニクスやマイクロ磁気工学の分野において欠くことのできない測定技術であるが、放射光などの特別な施設が必要であったり測定に熟練が必要であるなど、使いやすい技術ではなかった。本研究で開発した時間分解磁気光学顕微鏡は、従来にくらべ空間分解能が高いだけでなく、磁化のベクトル観察が可能であり、安定で操作性もよいものとなった。本測定手法が普及すれば、今後のこの分野の研究開発を大きく促進できるものと考える。
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