研究課題/領域番号 |
19K03766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
島 弘幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40312392)
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研究分担者 |
佐藤 太裕 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00344482)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パターン形成 / 自己組織化現象 / 生物模倣科学 / 生物規範工学 / かたちの科学 / 植物物理学 / 生物物理学 / 天然周期構造 / 自己組織化 / 機能構造 / 力学的最適化 / タケ / イネ / ネットメロン / 樹皮 / 亀裂パターン / 膨張破断 / 収縮破断 / ネットワーク / 植物力学 / フキ / ひび割れ / 柱状節理 / ナノカーボン / 中空パイプ / 座屈 / バンドギャップ / 物性推算 / 構造安定論 / 空間周期パターン |
研究開始時の研究の概要 |
自然界の生物は、しばしば人の発想を超える高度な機能を発揮する。この自然界の智恵を借りて、新しい機能・構造をもつ材料・素子を実現するというのが、本研究の目的である。特に注目するのは、「竹の節」や「南瓜の表皮の凸凹」など、周期的な変形を帯びた生物形態である。こうした周期性に由来する物理機能を新たに発掘し、その機能が発現する仕組みを科学的に解き明かすことで、革新的な機能性材料の提案を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題の目的は、植物をはじめとする生物一般に広くみられる擬周期構造の力学的合理性と潜在的な応用価値を体系的に書き下すことである。研究遂行の結果、中空茎構造をもつ植物種(タケ・イネ・フキなど)については、擬周期的な節分布に起因する力学機能と形態合理性の相関関係を実験と理論の両面から明らかにするとともに、その機能的形態の技術応用価値(タケを模した高剛性タワー構造、イネの倒伏耐性の向上方針)などを定量的に評価することができた。また、マスクメロン表皮の網目模様や樹木の樹皮にみられるひび割れ模様を詳細に解析した結果、亀裂ネットワークに潜む普遍的な幾何特性を破壊力学の観点から定式化することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子生物学が発達した今日では、生物の備える形態と機能の多くが、遺伝子レベル・細胞レベルで緻密に制御されていることがわかっている。いっぽう、その一つ上の階層である組織レベルの形態と、そこに作用する各種のチカラ(重力・曲げ応力・膨圧・摩擦力など)は、絶妙な釣り合いを保ちながら時々刻々と変化する環境条件に適応しているはずである。本研究課題は、このような生物組織のカタチとチカラが織りなす機能美を、基礎科学の視点から掘り起こしたものである。その成果は、生物が自然淘汰の過程で獲得したカタチのからくりに新たな知見を与えるものであり、次世代型の生物模倣科学の展開に資するものである。
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