研究課題/領域番号 |
19K03771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
岩下 拓哉 大分大学, 理工学部, 准教授 (30789508)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ガラス / 液体 / 力学特性 / 粘度 / 分子動力学シミュレーション / 機械学習 / ガラス転移現象 / 応力 / 酸化物ガラス / レオロジー / ヒステリシス / 非平衡定常熱力学 / 過冷却液体 / 高温液体 / 構造異方性 / 荷電コロイド分散系 / 第一原理原子応力 / スケーリング則 / レオメータ / 局所力学量 / 異常検知 / 第一原理MD / 金属ガラス / 破壊 / 弾性変形 / 塑性変形 |
研究開始時の研究の概要 |
高機能な金属ガラスの設計指針に直結する重要な課題は,どのようにガラスが壊れるのかという原子レベルでの破壊メカニズムの解明である.しかしながら,不規則構造のために,どこから破壊が発生するのかという根本的問題さえも解決できていない.本研究目的は,シミュレーションと機械学習を融合し,ガラス破壊の発生源を特定,さらにミクロな破壊からマクロな破壊の接続原理の解明である.まず,ガラスの局所構造パラメタを計算し,変形過程における多変量時系列データを作成する.次に,異常検知手法やパーコレーション解析を駆使し,破壊現象を定量化する.本研究により,ガラスの破壊や不規則構造が持つ物理的役割の解明が期待される.
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研究成果の概要 |
計算機シミュレーションや機械学習手法を用いて,ガラスの力学特性の微視的起源を明らかにし,ガラス転移現象の背後にある原子や分子の運動と巨視的な流動物性の関係性を導き出すことを目的とする.古典および第一原理分子動力学計算から,ガラス破壊における異常検知手法の適用可能性や電子物性と力学特性の関係性を明らかにし,大規模計算に向けた機械学習ポテンシャルの作成を行った.また,過冷却液体やガラスの流動状態における局所構造変化と流動粘度の関係性を明らかにした.さらに,塩誘起ガラス転移現象におけるレオロジーにおけるスケーリング則を実験的に見出した.これらの結果からガラスや液体の物性起源に関する理解が進歩した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガラスや液体のような構造不規則系は,我々の身の回りに多く存在するが,構造の不規則性のために十分な理解が得られていない部分が多い.特に,ガラス物性を構造から事前に予測することはできない.近年の計算機の進歩や機械学習手法の広がりは,新たな展開を生み出しており,不規則構造に関する新規な知見を得ることが期待されている.本研究では,ガラス変形における電子物性と力学物性の関係性を明らかにしており,この結果は構造不規則系の科学の進歩に大きく貢献している.
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