研究課題/領域番号 |
19K03772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
千葉 文野 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (20424195)
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研究分担者 |
秋山 良 九州大学, 理学研究院, 准教授 (60363347)
勝本 之晶 福岡大学, 理学部, 教授 (90351741)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 結晶性高分子 / 分子吸蔵 / 液体分離 / 枯渇相互作用 / アルカン / ホスト-ゲスト構造 / ポリオレフィン / 高分子結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
液体クロマトグラフィーは、液体中の分子を種類ごとに分ける手法であり、広い分野の基盤技術の一つである。一般に、高分子のクロマトグラフィーにおいては、親水性・疎水性による種別分離の他に、分子の体積で分離する手法が確立されている。一方、低分子のクロマトグラフィーにおいては、これまで分子体積で液体を分離する手法は確立していない。本研究では、低分子にも、分子の体積による液体分離がありうることを実験的に示す。
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研究成果の概要 |
結晶性高分子P4MP1 (isotactic poly (4-methyl-1-pentene))のフィルムが、デカン等のアルカンを吸蔵すること、長短のアルカン混合液体に浸漬すると長鎖アルカンを優先吸蔵することを見出した。この優先吸蔵現象について、枯渇相互作用によって説明できる可能性を提唱した。 P4MP1は、結晶の密度が非晶の密度よりも少し小さいという特徴を持つが、アルカンは非晶域に優先的に吸蔵することを見出した。その結果、溶媒の吸蔵に伴い、0.16nm-1にX線回折ピーク(ラメラ長周期ピーク)が生じること、溶媒の脱離に伴いこのピークが消失することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常、ヘキサンとペンタンなど炭素数の近いアルカン同士を分離することは難しく、沸点の違いを利用する。しかしP4MP1膜は、炭素数の多い方のアルカンを優先吸蔵することを我々は見出し、このような長鎖アルカン優先吸蔵現象を枯渇相互作用によって説明できることを提唱した。枯渇相互作用を利用した液体分離法はこれまで研究されたことがないと考えられ、新しい液体分離法としての可能性を有すると考えている。
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