研究課題/領域番号 |
19K03777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
堂寺 知成 近畿大学, 理工学部, 教授 (30217616)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 準結晶 / ソフトマター / 結晶学 / 分子シミュレーション / タイリング / 物性物理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究題目「ソフトマター準結晶と準周期タイリング理論の革新的展開」では、ソフトマター準結晶の分子シミュレーション研究から得られた新しい準周期タイリング「青銅比タイリング」をさらに拡張し、革新的な準周期タイリングの理論を構築する。結果として周期的結晶と準周期的結晶(準結晶)の新たな統一的見方を提供し、物質科学の基礎学理の発展に寄与することを目標とする。また、ソフトマテリアルの分子デザインの無限の可能性を利用して、数学、物理学、化学、結晶学、ナノテクノロジーの分野横断的発想で、従来の固体物理学の枠に収まらない予想外の秩序構造を探究し、ソフトマター準結晶の物理学を発展させる。
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研究成果の概要 |
黄金比に基づく10回対称ペンローズタイリング、白銀比に基づく8回対称タイリングが1970年代から1980年代にかけて発見され、1980年代に実験的に発見された金属準結晶の数学的基礎を与えた。それから40年余り新しい金属比の準結晶タイルは発見されなかったが、本研究では、代表者が創成した学術分野「ソフトマター準結晶」に着想を得て、青銅比準結晶に加えて、偶数および3の倍数の金属比をもつ準結晶タイリングを含む準結晶タイリングを無限に構成した。40年ぶりにブレークスルーを果たし、研究題目にある「準周期タイリング理論の革新的展開」という世界で独自の研究成果を生み出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
40年余り新しい金属比の準結晶タイリングは発見さなかったが、本研究によって青銅比を皮切りに無限個の金属比の準結晶タイリングが構成できることが分かったことに、本成果の学術的意義がある。そのほとんどが4回及び6回対称性を持ち、「準結晶タイリングの特徴が、従来の結晶学で許されない回転対称性を持つ」という人口に膾炙した表現が正しくないことをわかりやすく例示している。準結晶を含む結晶学の書き換えが必要で、基礎学理の革新である。このブレークスルーには、ハードマター(金属)準結晶研究の枠を超え、ソフトマター準結晶研究を遂行したことが不可欠であって、分野横断的な研究の有効性を示した点にも社会的意義がある。
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