研究課題/領域番号 |
19K03781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
齊藤 慎司 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター, 研究員 (60528165)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | プラズマ乱流 / 波動粒子相互作用 / プラズマ加熱 / プラズマ運動論 / 運動論的プラズマ乱流 / 粒子加速 / 粒子加熱 / 太陽風 / 粒子シミュレーション / 並列演算 / 無衝突プラズマ乱流 / 運動論的プラズマ / プラズマ波動 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽からのプラズマの流れである太陽風乱流に代表されるような無衝突プラズマ乱流中では、粒子間衝突が関わる流体粘性が乱流散逸の根本的な原因にはなりえない。しかしながら、粘性が無視されるようなプラズマ乱流であるにも関わらず、流体乱流の粘性散逸を思わせる周波数スペクトルの特徴が現れることが太陽風観測によって明らかになっている。本研究では荷電粒子の運動に影響されて現れる小さなスケールの波動特性が、この性質に重要な役割を担っていると考え、この作用を担う「運動論的プラズマ乱流」の生成と性質について第一原理プラズマ粒子シミュレーションを用いた計算機実験で明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、磁気流体プラズマ中の波動として代表的なAlfven波動の重ね合わせで形成されるプラズマ乱流の非線形発展を、運動論的効果を含めたプラズマ粒子シミュレーションを用いて計算を行った。本研究成果により、Alfven波動乱流の非線形相互作用が運動論的乱流領域で運動論的Alfven波動、magnetosonic/whistler波動、イオン音波、イオンサイクロトロン波動といった、太陽風で多く観測されている運動論的波動が生成出来ることを実証した。また、その中で、本研究で想定した条件下において、特にmagnetosonic/whistler波動が最も支配的になりうることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は未だ謎が多い太陽風の加速や加熱機構の解明につながる糸口となることが期待される。太陽風を形成するプラズマ乱流の基礎的な性質を荷電粒子1つ1つの動きの影響を含め理解することで、太陽風がどのように加速されるのか、また吹き出された後にどのような発展を遂げプラズマ乱流としての性質を変えうるのか、ということを詳細に理解するための1つのピースとなっている。太陽風の加速機構やその性質を理解することは、地球周辺の宇宙環境や地上の電力網に影響を与える「宇宙天気」の予報精度向上につながることが期待される。
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