研究課題
基盤研究(C)
高ベータな球状トーラス核融合プラズマ実験装置を使ったプラズマ科学への展開として、独自技術である同軸ヘリシティ入射 (Coaxial Helicity Injection : CHI)を用いたプラズモイド乱流型磁気リコネクション過程の解明とその爆発的なエネルギー解放機構を利用したプラズマ加熱を実現する。磁化同軸プラズマガンを利用した磁気ヘリシティ(磁束管の絡み)をもつ磁化プラズマ入射は自己組織化の構造形成の宝庫でもある。そのため、本研究では、CHI過程で発現する磁気リコネクション、ダイナモ、流れと渦構造、2流体緩和、電場と回転など多彩な非線形プラズマ現象について探求を行う。
兵庫県立大の球状トーラス(ST)型 HIST装置では、電流駆動法の一つである同軸ヘリシティ入射(CHI: Coaxial Helicity Injection)法によってST配位プラズマを生成している。本事業で実施したCHI実験において、2次元内部磁場計測によってマルチプラズモイド生成現象が観測された。本研究によって、1)プラズモイドが駆動する高速磁気リコネクションがSTプラズマ磁場配位形成過程に重要な役割を果たしている。2)プラズモイドリコネクションと間欠的なイオン加熱との相関性、の2点について明らかにした。
最近、フュージョンエネルギー開発が注目されており、核融合炉の早期実現に向けて世界中で多くのスタートアップ企業が起業している。本研究はこれらのスタートアップ企業の中で革新的核融合方式で用いられている磁化同軸プラズマガンによるスフェロマック生成に軸電流を流すことで球状トカマク(ST)生成に発展させた研究である。本方式により大電流のプラズマを効率よく生成できれば、中心導体内のOHコイルが不要になり、低アスペクト比ST炉の早期実現に貢献できる。プラズモイド型磁気リコネクションがイオン温度の上昇につながる機構の発見の意義は大きい。さらに、太陽フレア―の高速リコネクションの機構の解明にも貢献する。
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Nuclear Fusion
巻: 64
Journal of Fusion Energy
巻: 41 号: 2
10.1007/s10894-022-00338-4
巻: 62