研究課題/領域番号 |
19K03810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松田 良信 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (60199817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 負イオン / イオンエネルギー分布 / 反射電界型エネルギー分析器 / 磁気フィルタ / マグネトロン / スパッタリング / 透明導電膜 / 金属添加酸化亜鉛 / マグネトロンスパッタリング / エネルギー分布関数 |
研究開始時の研究の概要 |
現在産業界で広く利用されているマグネトロンスパッタリング法で酸化物薄膜を作成する際の大きな問題は,基板全体で一様な抵抗率が得られにくいことである.この理由について様々な要因が議論されているが(昔と比べれば随分理解が進んできているが),本当の理由は未だによくわかっていない.本研究では,その問題を解き明かすために,基板に入射する粒子がどこにどれだけどのようなエネルギーで入射するかを、磁石を取り付けた反射電界型エネルギー分析器という比較的安価で簡便な装置を用いて調査する.
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研究成果の概要 |
金属添加酸化亜鉛ターゲットのマグネトロンスパッタリングにおける基板入射負イオンのエネルギー分布関数を、磁場領域を持つ反射電界型エネルギー分析器(RFEA)を用いて測定した。RFEA入射開口部前方の直交磁界で、バルクプラズマ電子のRFEAへの流入が劇的に抑制されるが、酸化物ターゲット表面から放出される負イオンの流入はほとんど影響されない。負イオンは主にターゲット侵食領域から放出され、ターゲット印加電圧と同等のイオンエネルギーで対向基板に入射することが確認された。銅ターゲットのマグネトロンスパッタリングでは負イオンの信号は全く観測されない。磁化RFEAは安価でコンパクトで、空間掃引が容易である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁化反射電界型エネルギー分析器(Retarding field energy analyzer: RFEA)を用いて、酸化物ターゲットのマグネトロンスパッタリング過程で酸素負イオンがターゲット表面から放出され高エネルギーで基板に入射することを明らかにした。差動排気を必要とし、大型で携帯性に劣るエネルギー分解型質量分析器に比べ、RFEAは安価でコンパクトで空間掃引が容易である。磁化RFEAは、成膜やエッチングなどの様々なプロセス環境下での正・負イオンの測定に展開可能である。半導体プロセスを含む各種真空・表面処理プロセスの診断・制御に、磁化RFEAを有効活用することで、社会に貢献できる。
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