研究課題/領域番号 |
19K03817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 近畿大学 (2021-2022) 秋田大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
三角 樹弘 近畿大学, 理工学部, 准教授 (80715152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | リサージェンス理論 / 格子場の理論 / 量子異常マッチング / リノマロン / 複素古典解 / 真空の連続性 / ZN対称性 / 不定虚部相殺構造 / 格子理論 / 量子異常 / 場の量子論 / exact-WKB / ZN真空 / リサージェンス構造 / 量子化条件 / 相転移現象 / ボレル平面 / 2次元シグマ模型 / 格子ゲージ理論 / グラフ理論 / 格子シミュレーション / コンパクト化 / ZNツイスト条件 / バイオン / Exact-WKB法 / ZNツイスト境界条件 / 真空構造の連続性 / 格子フェルミオン / 格子数値計算 / バイオン配位 |
研究開始時の研究の概要 |
素粒子現象・物性現象の多くを記述する「場の量子論」の解析法確立は,核子形成や質量生成などの身の回りの自然現象の理解に不可欠である.本研究では,特に重要な場の量子論である4次元ゲージ理論の新たな解析法として,リサージェンス理論・ 量子異常マッチング・格子理論を組合せた解析を行う,これは,理論が解析可能なパラメタ領域でリサージェンス理論という手法を用いて現象を調べ,ここで得られた性質が一般のパラメタの場合にも維持されるか否かを量子異常マッチングと格子数値計算という方法によって調べる,という方針である.これにより核子形成や質量生成など物理的に重要な現象を理解することが可能になる.
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研究成果の概要 |
リサージェンス,量子異常マッチング,格子理論という非摂動的解析手法を用いて,漸近自由な場の量子論の非摂動的性質を調べた.(1)2次元場の量子論を中心とする非超対称な理論においてリサージェンス構造の解明に成功し,閉じ込めなどの非摂動現象に深く関係する赤外リノマロン不定虚部の相殺構造を示した.(2)量子異常マッチングを適用することでZNツイストコンパクト化によって場の量子論の真空構造が安定化されることを示した.(3)格子数値計算により2次元ZNシグマ模型の真空構造がコンパクト化に対して強固であること,そしてそれが分数インスタントンやバイオンによって引き起こされていることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
場の量子論の真空構造は,素粒子とその相互作用によるこの自然界の創発を理解する上で最も重要なピースである.本研究は,比較的新しい解析手法を組み合わせることで,場の量子論の真空に関するいくつかの問題の解明に重要な貢献をした.特に,赤外リノマロン不定虚部の相殺構造の解明,相転移現象のリサージェンス理論による理解,ZN真空の安定性の示唆,という3つの結果は,今後の場の量子論研究において重要な位置を占めると考えられる.新たな数学的手法を用いた本研究は,代数解析学と理論物理学の融合分野と捉えることも可能であり,そのような新領域の創始という意味でも意義のある研究だったと言える.
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