研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では,特に,標準模型や統一模型におけるゲージ対称性・フレーバー 対称性の自発的破れのメカニズムを,格子カイラルゲージ理論,Banks-Casher 関係式,カイラル- ランダム行列理論,ゴールドストーン-ボソンの有効理論の手法を用いて解析する.これにより,カイラルゲージ理論におけるゲージ対称性・フレーバー対称性の実現の仕方をより深く理解し,ひいては,素粒子標準模型における SU(2)×U(1) 電弱ゲージ対称性の破れのメカニズムを解明することを目指す.
本研究課題では,標準模型や統一模型におけるゲージ対称性・フレーバー対称性の自発的破れのメカニズムを,格子カイラルゲージ理論,Banks-Casher 関係式,カイラル-ランダム行列理論,ゴールドストーン-ボソンの有効理論の手法を用いて解析した。解析の結果によれば,SO(10) カイラルゲージ理論におけるSU(3)フレーバー対称性はSO(3)対称性に破れる可能性が強く示唆されている。一方,Eichten-Preskill 模型(一般化ウィルソン項による格子カイラルゲージ理論の構成法)において,Block Spin変換による解析が進展し,模型の相構造と臨界点について新たな知見が得られた。
今回得られた成果,すわなち,SO(10) カイラルゲージ理論におけるSU(3)フレーバー対称性のSO(3)への自発的な破れの可能性は,標準模型や統一模型におけるゲージ対称性・フレーバー対称性の理解,引いては,素粒子の質量スペクトルを理解する上で,最も単純化して設定における基礎的なデータを提供するものであり,学術的な意義があると言える。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Progress of Theoretical and Experimental Physics
巻: no. 7 号: 7
10.1093/ptep/ptz055
巻: no. 11 号: 11
10.1093/ptep/ptz115