研究課題/領域番号 |
19K03824
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大阪大学 (2022-2023) 京都大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
吉田 賢市 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (00567547)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ベータ崩壊 / 密度汎関数理論 / 核変形 / 中性子過剰核 / スピン・アイソスピン応答 / スピン・アイソスピン励起 / 密度汎関数法 / 中性子-陽子対相関 / 安定の島 / 超変形・ハイパー変形 / 原子核密度汎関数理論 / 不安定核 / 陽子・中性子対相互作用 / 原子核密度汎関数法 / 乱雑位相近似 / 元素合成 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄より重い元素がどのように作られたのかを解明するためには,元素合成に関与する天然には安定に存在しない,また実験的に作ることも不可能な中性子過剰原子核の構造を理解することが必要である。ベータ崩壊は原子番号を一つ大きくする過程であり,それが連鎖的に起こることで重元素が合成される。そのため,中性子過剰核内でのベータ崩壊過程に関わる核行列要素を系統的かつ定量的に求めることが重要である。低い計算コストと高い信頼性を両立させるため,原子核密度汎関数法を駆使して全核種に適用可能な理論計算手法を開発する。
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研究実績の概要 |
[最終年度に実施した主な研究成果]中性子過剰なZr同位体は中性子数に応じて形が変わることが理論的に予言されている。基底回転バンドや低励起状態の性質からそれを観測することはできるが,実験的には生成量が極めて低いことから難しい。低い生成量でもベータ崩壊率の方は測定しやすい。また,これらのZr同位体はr-過程の経路に近いとされているため,ベータ崩壊率を理論的に評価しておくことは重要である。そこで,原子核の変形とベータ崩壊率の関係を調べたところ,変形状態から球形に変わると寿命が急激に短くなることが分かった。それは,強い遷移強度を持った状態が集中するためである。この効果は,粒子・空孔励起に制限をかけているRPAを超えた枠組みでも当てはまることを確認した。よく元素合成のシミュレーションに用いられている核質量を元にしたベータ崩壊率の模型では,このような効果を入れることができない。本研究のような量子多体理論に基づいた微視的な計算が,重い元素の起源を明らかにするには必要であることを示している。本研究は,これからの国際共同研究の出発点となるものである。 [研究期間全体を通じて実施した研究の成果]国内外の共同研究が進み,第一禁止遷移まで含めてレプトンの波動関数と原子核の波動関数を統一的に決めることができた。ベータ崩壊率に関する理論的不定性は数パーセントであることが確かめられた。つまり,原子核の波動関数の確さがベータ崩壊率の正確度を決めている,ということができるようになった。
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