研究課題/領域番号 |
19K03827
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 九州大学 (2020-2022) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
菅野 優美 九州大学, 理学研究院, 准教授 (70827427)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 原始重力波 / グラビトン / エンタングルメント / 量子性 / 量子生 / 重力子 / ノイズ / 量子情報 |
研究開始時の研究の概要 |
初期宇宙の理論であるインフレーション理論は、宇宙の構造や宇宙背景放射の温度揺らぎを、量子揺らぎから説明することに成功しました。本研究の目的は、初期の宇宙が本当に量子揺らぎから始まったのかを検証する方法を見つけることです。そのために、量子情報理論で発展したハンブリー・ ブラウンとトゥイスの干渉計を宇宙論に応用し、透過性の高い原始重力波の量子性の検証に的を絞ります。さらに、将来の干渉計による検証可能性を調べます。原始重力波の量子性の検証に成功すれば、インフレーション理論の証明を与えるだけでなく、未だに存在が確認されていない重力子の発見にもつながります。
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研究成果の概要 |
ハンブリー・ブラウンとトゥイス干渉計を宇宙論に応用し、原始重力波の量子性を検出することが可能か調べた。インフレーション中に原始重力波が物質場と結合すれば、量子性を示すことを明らかにした。この量子性を示す振動数領域を予言し、将来原始重力波の量子性が検出可能であることを示した。 また、原始重力波の量子(グラビトン)を間接的に捉える方法を考えた。マイケルソン干渉計の鏡のエンタングル状態を考え、環境にあるグラビトンが鏡に与えるノイズを見積もりデコヒーレンス時間を予言した。この論文はアメリカ物理学会の学術雑誌 Physical Review D 誌の Editors’ suggestion に選ばれた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原始重力波の量子性をハンブリー・ブラウンとトゥイス干渉計を用いて、直接的に観測できる振動数領域を予言した。また原始重力波の量子であるグラビトンが、巨視的量子物体に対するノイズになることでデコヒーレンスを起こし、そのデコヒーレンス時間を測定することで、グラビトンを間接的に観測する方法を提案した。これらの観測方法が将来実現できれば、私たちの宇宙の起源が確かに量子揺らぎであったことが明らかになる。原始重力波の量子性の検出に成功すれば、未だに存在が確認されていないグラビトンの発見にもつながり、量子重力理論研究への波及効果が期待できる。
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