研究課題/領域番号 |
19K03834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
黒木 経秀 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40442959)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 超弦理論 / 超対称性 / 行列模型 / resurgence / インスタントン / 対称性の自発的破れ / JT gravity / Liouville理論 / entanglement entropy / matrix model / instanton / random matrix theory |
研究開始時の研究の概要 |
自然界のすべての相互作用を統一すると期待される超弦理論は、超対称性(ボゾンとフェルミオンの間の対称性)など現在の自然界には存在しない高い対称性を持つ。超弦理論によって現在の自然界を説明するためにはこれらの対称性が破れる必要がある。それには超弦理論の結合定数による展開では見えない自由度(非摂動効果)が重要であるが、弦理論は展開でしか定義されていないため、その解析が困難である。本研究では低次元の超弦理論は行列を力学変数とする模型で展開によらず定式化できること、および展開の高次によって非摂動効果が読み取れるという理論(resurgence)を用いて超弦理論における超対称性の自発的破れの機構を解明する。
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研究成果の概要 |
先行研究において、我々は低次元の超弦理論の非摂動的定式化として超対称行列模型を提唱した。また、この行列模型において、超対称性を破る演算子の1点関数の摂動展開を全次数で求めた。本研究ではこの摂動級数に対し、resurgenceのアイディアを適用し、先行研究で得られていた行列模型のインスタントンの作用が厳密に再現されることを示した。さらに超対称性を破る演算子の2点関数の摂動展開を全次数で求め、これに対してもresurgenceを適用し、不定性が消えていること、およびインスタントン作用が正しく再現されることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
弦理論において、相関関数を摂動展開の全次数で求めることは対称性が高い場合などに限られていたが、本研究では超対称性を破る演算子の2点関数を全次数で求めており、存在価値が大きい。またこの導出の過程で、ランダム行列理論の2点関数を1点関数の積の和で表す一般的公式を導いており、この公式自体、今後様々な応用が期待される。またresurgenceの観点からは、同じ模型で複数種類の物理量に対して適用した例が少なく、この観点からも本研究は貴重な例を与えている。
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