研究課題/領域番号 |
19K03835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
松原 隆彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (00282715)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 宇宙の大規模構造 / 統計解析理論 / 初期非ガウス性 / ミンコフスキー汎函数 / 非線形摂動論 / 銀河バイアス / ピーク統計 / 統合摂動論 / テンソル場 / 原始ブラックホール / 重力理論の検証 / 宇宙マイクロ波背景放射 / 弱重力レンズ場 / ミンコフスキー汎関数 / 非ガウス性 / 宇宙論 / 初期密度ゆらぎ |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙の大規模構造という観測量から、初期宇宙の物理を探求するための手法を模索する。これまでに研究代表者は、大規模構造の統計量について準非線形領域で力学的な統計解析を系統的に行う手法である統合摂動論を確立した。この理論を初期宇宙における具体的な問題に応用することにより、独創的な成果を得ることができる。具体的な研究課題は2つある。ひとつめは、インフレーション理論において励起される可能性のある初期ゆらぎの非ガウス性を宇宙の大規模構造の統計解析によって制限することである。ふたつめは、初期宇宙に形成される可能性のある原始ブラックホールがどのような空間的分布をするのか調べることである。
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研究成果の概要 |
宇宙の大規模構造における力学的統計解析に関するさまざまな手法を考察して新たな理論的知見を多数得ることができた。宇宙の大規模構造の幾何学的構造を数量化するミンコフスキー汎函数という統計量について、数学の統計・確率論分野における知見を取り入れることにより、非ガウス性を持つスカラー場に対する摂動的な予言を一般的に求める公式を導くことに成功し、それを宇宙の大規模構造のシミュレーションと比較して実地の応用への道を切り拓いた。また、宇宙の密度場に関するピーク統計に対する非ガウス性の影響を摂動的に評価する解析的手法を開発、また、テンソル場の力学的摂動進化を扱う手法を新たに開発するなどの成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙の大規模構造の解析において必須となる統計解析手法において、宇宙の力学進化による非線形成長や天体バイアスの非線形関係を包括的に取り入れた理論手法を多面的に開発することができたため、これを実際の宇宙構造解析に応用することで当該分野の研究における将来的な可能性を大きく広げることができた。宇宙の全体構造は社会・国民の興味を広くひいており、私たちの起源や将来を考える上でもその知見は重要なピースである。
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