研究課題/領域番号 |
19K03837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
松古 栄夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教 (10373185)
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研究分担者 |
住吉 光介 沼津工業高等専門学校, 教養科, 教授 (30280720)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 超新星爆発シミュレーション / 高性能計算 / GPU / 富岳 / PEZY-SC / SX-Aurora / 超新星爆発 / メニーコア計算機 / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
重力崩壊型の超新星爆発は重い星の一生の最後に起こる現象だが、その爆発メカニズムには多くの謎が残されており、解明には大規模数値シミュレーションが不可欠である。重力波やニュートリノの観測データとの比較のためにも、定量的で系統的な研究が急務である。本研究では、GPUやPezy-SCなどのメニーコア計算機を利用して、超新星爆発シミュレーションを系統的に行う環境を開発する。ハイブリッドな並列環境に適したアルゴリズムや最適化法を確立すると共に、開発したコードを用いて、星のモデルや回転などの条件が爆発のダイナミクスに与える影響を網羅的に調べる。
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研究実績の概要 |
2022年度には引き続き超新星爆発シミュレーションの研究を行った。ニュートリノ輻射に対するBoltzmann方程式と結合した流体方程式コードを用いて、超新星爆発ダイナミクス、状態方程式の効果などの研究、シミュレーションコードの高速化を行った。球対称(1次元空間座標)及び3次元空間でのニュートリノ輻射-流体力学計算をGPUによって高速化するコードの開発を引き続き行い、東京大学のWisteriaシステムなど、最新のGPUアーキテクチャでの検証などを行った。ベクトルアーキテクチャである、NEX SX-Aurora TSUBASAシステムでの動作検証も行った。ディレクティブによってGPUへのオフロードが可能なOpenACCコードから、より詳細なGPU操作が可能なCUDA, OpenCLコードへの変換を行うアプリケーションの開発を進めた。 早稲田大学を中心に進められている超新星爆発シミュレーション研究のグループに参加し、富岳コンピュータでの大規模数値シミュレーションによる研究を行った。大規模計算による成果は着実に得られている。富岳での計算において最も時間がかかっている、電子散乱反応過程に対し、最適化によって約 1.5倍の高速化が得られた。長時間シミュレーションでは陰解法における線形方程式の反復解法がボトルネックとなる。この解法に対し、富岳のアーキテクチャであるA64FX向けのSIMD高速化を行うための準備を進めた。またこのような線形解法に有効と考えられるマルチグリッド法について、本研究と同様に疎行列を扱う系に対し、富岳コンピュータでの高速化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題の主要なゴールである、GPUやPEZY-SCを用いた高精度計算を進める予定であったが、コードジェネレータの開発に予想以上に時間がかかっていること、新しいプラットフォームでの動作検証に手間取ったことなどのため、進捗がやや遅れている。スーパーコンピュータ富岳の運用開始を受けて、そのための最適化作業も並行して進めていることも一因である。
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今後の研究の推進方策 |
本課題は本来2021年度が最終年度であったが、進捗がやや遅れていることや、本課題に関連する応用として富岳アーキテクチャ向けの最適化も並行して進めていること、特に新型コロナの影響により旅費などの使用が抑えられたことのために、2022年度への延長を行ったが、そのような状況が続いているため、再度研究期間の延長を申請して認められた。2023年度には富岳向けの線形方程式の最適化、GPU利用のためのコードジェネレータの精密化を達成したいと考えている。
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