研究課題/領域番号 |
19K03844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
久保 治輔 富山大学, 理学部, 客員教授 (40211213)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 素粒子論 / スケール不変生 / 重力波 / 宇宙相転移 / 宇宙のインフレーション / 量子重力理論 / 宇宙のインフレーション的膨張 / 初期宇宙理論 / エネルギースケールの起源 / スケール不変性 / 暗黒物質 / インフレーション宇宙 / 標準理論の拡張 / 素粒子の標準模型の拡張 / 標準模型の拡張 / 背景重力波 / 初期宇宙 |
研究開始時の研究の概要 |
標準理論の素粒子の質量、暗黒物質の質量、プランク質量の起源を明らかにするために、スケール不変性に基づき標準理論とアインシュタンの重力理論の拡張を図る。非可換ゲージ理論の非摂動効果によってスケール不変性が自発的に破れることにより質量が生成されると仮定すると、宇宙初期に起こったスケール相転移が背景重力波を生成する可能性がある。
当研究では、スケール不変性に基づく素粒子の新物理由来の重力波が、宇宙空間検出器(LISA, DECIGO,BBO)から地上検出器(LIGO, Virgo, KAGRA)までの周波数帯で検出可能かを調べる。
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研究成果の概要 |
素粒子の質量、暗黒物質の質量、プランク質量の起源を明らかにするために、スケール 不変性に基づき標準理論とアインシュタンの重力理論の拡張を図った。宇宙初期 のスケール相転移によって生成された重力波が宇宙空間検出器から地上検出器までの周波数帯で検出可能かを調べた。その結果、ヨーロッパのBBOにおいては5年間以上の観測を継続すれば検証可能であるが、日本のDECIGOの実験では難しいということが分かった。また、模型には暗黒物質が存在でき 、スケール不変性が自発的に破れる際に生ずる南部-Goldstoneボゾンが宇宙のインフレー ションに欠かせないインフラトンの役割を果たしていることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
暗黒物質を含めた素粒子の質量の起源は何かは分かっていない。質量次元があるパラメータを持つ理論では答えは見出せない。従って、質量次元がないパラメータを持つ理論(スケール不変な理論)に基づいて質量の起源を追求することは、ごく自然な方向である。当研究では、スケール不変性を指導原理とし素粒子の質量がダイナミカルに生成されるよう標準理論を拡張した。現実の世界にはスケールが存在しているので、スケール不変性は自発的に破れていなければならない。この自発的破れが宇宙初期に起こったとすると、それは相転移として起こり重力波が生成される。この重力波が将来の実験において観測可能かを調べることは、意義がある研究である。
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