研究課題/領域番号 |
19K03852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山本 直希 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80735358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 超新星爆発 / ニュートリノ / 輻射輸送理論 / カイラリティ / 輻射流体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
重力崩壊型の超新星爆発は、大質量星がその進化の最期に引き起こす、宇宙で最も大きな爆発現象の1つである。しかしながら、その爆発メカニズムは未だによくわかっていない。超新星爆発に重要な役割を果たすと考えられているがニュートリノであるが、従来のニュートリノの輸送理論では、素粒子の基本的性質であるカイラリティが無視されているという問題点がある。本研究では、ニュートリノのカイラリティを考慮した輸送理論「ニュートリノのカイラル輻射流体力学」を構築し、超新星への応用を目指す。
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研究実績の概要 |
重力崩壊型の超新星爆発のメカニズムに重要な役割を果たすと考えられているのが、星の重力エネルギーの大部分を持ち運ぶニュートリノである。しかしながら、従来のニュートリノの輸送理論の数値シミュレーションでは超新星爆発を理論的に再現するのは困難であり、その爆発メカニズムは未だによくわかっていない。本研究課題でのこれまでの研究において、我々は素粒子の標準理論に基づいて、ニュートリノの最も基本的な性質であるカイラリティを考慮した「ニュートリノのカイラル輻射輸送理論」を系統的に構築した。また、この理論をニュートリノが平衡に十分近い領域で解くことで、磁場に比例するニュートリノのエネルギー流や電流を導出し、超新星の局所的な磁気流体力学の数値シミュレーションを行ってきた。 2022年度の研究では、カイラル輻射輸送理論において、非平衡状態にある左巻きニュートリノから物質へのバックリアクションを系統的に解析する新しい理論的手法を開発した。これによって、非平衡状態のニュートリノ放射によって誘起される、磁場に比例する電流やエネルギー流の一般的な公式を導出することに成功した。 また、ニュートリノには左巻きのカイラリティしかないため、超新星のニュートリノ物質から偏光した重力波(カイラル重力波)が放出されると期待できる。このようなメカニズムは、超新星だけでなく、熱平衡状態のニュートリノで満たされたビッグバン直後の初期宇宙でも生じると考え、初期宇宙のニュートリノ物質からのカイラル重力波の偏光度とスペクトルを理論的に導出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
カイラル輻射輸送理論の応用の一つとして、非平衡状態にあるニュートリノから物質へのバックリアクションを系統的に解析する理論的手法の開発という、当初の計画にはなかった研究成果を出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、非平衡状態の左巻きニュートリノから物質へのバックリアクションの効果を取り入れた磁気流体方程式に基づいて、超新星の大域的な時間発展の数値シミュレーションを進めている。これによって、超新星爆発のダイナミクスや、中性子星・マグネター磁場の生成メカニズムを明らかにするのが今後の課題である。また、これまでの熱平衡状態のニュートリノからのカイラル重力波の解析を拡張して、超新星の非平衡ニュートリノからのカイラル重力波の解析を行い、超新星爆発の将来的な観測に対する理論的予言を与えることも目標である。
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