研究課題/領域番号 |
19K03868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
阿武木 啓朗 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70378933)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | クォーク物質 / カイラル対称性 / 中性子星 / 強い相互作用 / カイラル密度波 / 中性子星物質 / カイラル結晶 / 粘弾性 |
研究開始時の研究の概要 |
高密度クォーク・ハドロン物質のカイラル結晶の動的・静的な弾性体的特性を明らかにするとともに,それらの連星中性子星合体の物理への帰結について探求を行う.具体的には,カイラル結晶が液体と固体の中間的な振る舞いを示す可能性を検討する。さらにその天文学的帰結について検討を行う.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、高密度QCDにおいて実現が予想されているカイラル結晶状態の物性を明らかにするとともに、その中性子星の物理への帰結を探ることである。特にカイラル結晶の粘弾性体としての性質を明らかにすることと、特異な輸送性質を明らかにすることが目標である。いくつかの技術的困難があり、当初予定していた粘弾性についての解明には至らなかった。一方で、カイラル結晶状態の輸送問題については一定の成果を得ることができた。双対カイラル密度波(DCDW)と呼ばれる特殊なカイラル結晶が示すホール伝導についてその数理的構造を解明するとともに、中性子星の熱的進化への影響について考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
100億-1000億テスラもの非常に強い磁場をもつマグネターと呼ばれる中性子星の種族が見つかっている。(市販のネオジム磁石の磁場は0.2テスラほどである。)マグネターは標準的な中性子星の冷却曲線から外れた領域に分布しており、特異な熱的進化が示唆されるが、磁場の起源も含め、包括的理解に至っていない。表面の磁気活動によるヒーティング効果のほか、中性子星を形成する物質相における電気伝導、熱伝導など輸送性質についての知見が必要である。本研究で取り組んだカイラル結晶状態が示す特異な輸送性質の解明は、強い磁場をもつ中性子星の熱的進化の理解に向けた第一歩になる。
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