研究課題/領域番号 |
19K03878
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 裕貴 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (30434278)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ショックブレイクアウト / 衝撃波 / 輻射輸送 / 超新星 / ガンマ線バースト / 宇宙物理 |
研究開始時の研究の概要 |
超新星やガンマ線バーストといった星の爆発現象における最初期の放射は、衝撃波が星の表面やそれを取り囲む物質を突き破る(衝撃波ブレイクアウト)際に生じている。本研究はその衝撃波がほぼ光の速度で伝搬している場合の物理、およびそれに伴う放射の性質の解明を目的としている。研究の手法としては、独自に開発して数値コードを使用した数値シミュレーションを行うことによって衝撃波の構造の詳細を明らかにし、衝撃波ブレイクアウトの放射を評価する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、独自に開発した数値計算コードを用いて、輻射媒介衝撃波の構造を第一原理から明らかにし、超新星爆発や低光度ガンマ線バーストなどの爆発現象に伴う衝撃波ブレイクアウトの性質を理論的に精査した。初めに、衝撃波ブレイクアウトが発生する前の衝撃波の構造を、光速の10%からローレンツ因子20の範囲の伝搬速度を持つ衝撃波について明らかにした。次に、緩やかに密度が減少する領域で発生する衝撃波ブレイクアウトに焦点を当て、同じ伝搬速度の範囲の衝撃波がブレイクアウトの進行に伴い示す構造の進化と、それに伴い解放される放射のスペクトルを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では独自の数値手法を用いて、光速の10%以上の速度で伝搬する輻射媒介衝撃波の構造を第一原理から明らかにした。特に、光速の約30%を超過する伝搬速度を持つ衝撃波に対しては、このような第一原理的な手法がその性質を解明する上で不可欠であり、特に衝撃波から光子が解放される効果を実装した計算に関しては世界初の試みである。これにより、これらの高速な衝撃波がブレイクアウトを開始する際の光学的厚みや、解放される光子の放射スペクトルが初めて明らかになった。この成果は超新星やガンマ線バーストの理解を深めるとともに、関連する天体物理学の分野に重要な示唆を与えるものである。
|