研究課題/領域番号 |
19K03883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 英斉 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 講師 (30376529)
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研究分担者 |
早川 勢也 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (00747743)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 原子核クラスター / 直鎖状態 / 不安定核 / 共鳴散乱 / 炭素-14 / 酸素-14 |
研究開始時の研究の概要 |
原子核は形状を持ちうる物体の中で、最も微小なものであると認識されている。原子核の形状は多くの場合真球であり、稀に楕球に変形することが知られている。1950年代に、α粒子3つが一列に配列する、特殊な直鎖状原子核が理論的に提案されたが、そのような直鎖状態の確たる実験的証拠は、長年見つからなかった。本研究は、代表者が2017年に発表した炭素-14原子核の直鎖状態の兆しを、多面的に再検証し、直鎖状態に関する確たる理解を得るものである。
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研究成果の概要 |
14C原子核の直鎖クラスター状態探索のため、2020年度にイタリアINFN-LNS研究所において10Be+α共鳴散乱実験がスケジュールされていたが、コロナ禍のために中止となった。 一方で鏡像核である14O核の共鳴状態を10C+α共鳴散乱を通して調べる実験を、ベルギーとの共同研究の形で実施した。研究期間中にデータ解析がほぼ完了し、共鳴状態が多数観測された。更に、14C核と類似した直鎖クラスター状態の候補と考えられる幾つかの状態が発見されるという、興味深い結果が得られた。この結果は近い将来に論文として出版する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
直鎖クラスター状態は原子核の特殊な形態の1つとして1950年台から予言されたものであるが、未だに確実な証拠が得られていない。研究代表者は2017年の論文で初めて直鎖クラスター状態の存在を示唆する強い証拠を提示したが、本研究で別の原子核における新たなる実験的証拠をつかむことに成功した。この結果は今後の原子核クラスター研究に大きなインパクトを与えることが期待される。 更に、原子核は形状を持つことが確認された物質のうち最も小さいものであり、本研究は、その原子核の形状を直鎖状に配位させる技術的な一歩という意味でも興味深い。
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