研究課題/領域番号 |
19K03885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
児玉 康一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70211901)
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研究分担者 |
市村 雅一 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (20232415)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エマルション / 原子核乾板 / アーカイブス / 宇宙線 / 気球実験 / 加速器実験 / ニュートリノ / データ公開 |
研究開始時の研究の概要 |
過去・現在・未来の気球実験や加速器実験の原子核乾板を、最新の自動飛跡読取装置により読み取り、記録されている全飛跡・全反応をデジタルデータ化し、広く公開・研究に提供する原子核乾板デジタルアーカイブス計画を進める。 我々が開発してきた原子核乾板自動飛跡読取装置の読み取り速度は、1㎡/時(年間で約2000㎡)に達している。これを用いて、世界中に保存されている原子核乾板をすべて読み取り、デジタルアーカイブス化するための基礎研究を進める。 本研究計画では、RUNJOB実験データの共有・公開を行い、タウニュートリノ検出実験DONUTのデジタルデータ化に挑戦する。
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研究成果の概要 |
過去・現在・未来の気球実験や加速器実験の原子核乾板を最新の自動飛跡読取装置により読み取り、記録されている全飛跡・全反応をデジタルデータ化し共有する、原子核乾板デジタルアーカイブス計画を進めた。我々が開発してきた原子核乾板飛跡読取装置(HTS)はそれが可能な能力を実現しつつある。タウニュートリノの荷電カレント反応を原子核乾板中に捉える事に世界で初めて成功した加速器実験DONUTのモジュール#1の全ての原子核乾板の読み出しと、気球実験JACEEの南極周回フライトの一部の原子核乾板の読み出しを完了する事ができた。また得られたデータを使い、大学院生や学部生の教育目的での活用も試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子核乾板はサブミクロンの3次元位置分解能を持つ素粒子検出器であり、タウニュートリノの研究などにおいて大きな役割を果たしてきたが、その解析は、顕微鏡を使う時間と手間のかかるものであった。我々はこの解析の自動化を進め、現行の装置HTSは、過去の加速器・気球実験での総乾板面積にほぼ匹敵する、年間読出し面積2000㎡に到達しつつある。これら過去の実験では、実際に読み出した乾板面積は全体の1%に満たず、記録された膨大な飛跡情報のごく一部を活用したに過ぎない。本研究は、これら過去の実験の乾板に記録された全飛跡をHTSで読み出して共有し、原子核乾板のミニマムバイアス解析を行おうとする世界初の試みである。
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