研究課題/領域番号 |
19K03887
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
下村 真弥 奈良女子大学, 自然科学系, 助教 (70555416)
|
研究分担者 |
蜂谷 崇 奈良女子大学, 自然科学系, 助教 (10589005)
|
研究期間 (年度) |
2019-03-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | QGP / イベントエンジニアリング / MPI効果 / 重イオン衝突 / Multi-parton interaction / MPI / v2 / 高エネルギー原子核衝突 / 新軸 / マルチパートンインタラクション / multi parton interaction |
研究開始時の研究の概要 |
ここ数年、RHIC・LHC加速器における陽子同士などの小さい系の衝突によってクォークグルーオンプラズマ(QGP)のような高温 QCD物質が生成されたシグナルが多数報告されている。これを可能とするメカニズムとして、マルチパートンインタラクション(MPI)が候補に上がっている。本研究では、MPIのシグナルを大きい系(重イオン衝突)での集団運動の方位角異方性の強度(v2)をこれまでにない新しい軸で測定することによって検証する。
|
研究成果の概要 |
重イオン衝突実験において、初めて「生成粒子数」と、「衝突に関与しなかった核子数」とを別の軸として扱うことで、これまでより詳細な分類を可能にした。それによって、楕円型方位角異方性を測定し、複数のパートン衝突(MPI) の効果を世界で初めて原子核原子核衝突で検証することを試みた。その結果、中心衝突事象において、MPIの効果の傾向と矛盾しない結果が得られた。さらに、この研究は、新しいイベントエンジニアニングに利用できるとして注目を集めており、この分野の研究の発展につながる成果である。これらの結果が評価され、複数の国際学会で招待講演を行うと共に、国際ソロプチミストの2つの支部からクラブ賞を受賞した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重イオン衝突実験において、クォーク・グルオンプラズマの性質をより詳細に調べるため、新しいイベントエンジニアリングが発案されている。多くは、生成粒子のみを使っているが、今回我々が開発した手法は、生成粒子と、衝突に関与しなかった粒子を両方使うことで、衝突のサイズとMPIなどによる到達エネルギー密度とを分けたイベント分類を行うことが可能な点が画期的である。今回の研究結果は、MPIの効果と矛盾がない結果を得られただけでなく、このような分類によってよりQGPの状態を限定して分類することができ、それによって不確かさの少ない理論との比較が可能になる点で、非常に学術的意義が大きい。
|