研究課題/領域番号 |
19K03893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小川 洋 日本大学, 理工学部, 助手 (20374910)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 暗黒物質 / ラドン / 極低放射能技術 / 暗黒物質探索 / 吸着剤 / キセノン / 素粒子・原子核物理実験 / ニュートリノ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、極低放射能のモレキュラーシーブスを独自に開発し、それを用いて暗黒物質検出器からの放射性不純物ラドンの削減をし、暗黒物質探索の感度向上を目指す研究となる。 暗黒物質探索にターゲットとして代表的なものとして、液体キセノンや、フッ素を含んだ化合物ガスなどがある。これらには、暗黒物質探索のバックグラウンドとなる放射性ラドンが検出器部材から湧き出ることから、ラドンの除去が重要な研究課題となっている。 暗黒物質探索検出器は、低バックグラウンド・エネルギー実験として、太陽ニュートリノ観測、0νββ探索にも大変有望なものであり、本研究による検出器の低バックグラウンド化が非常に重要となる。
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研究成果の概要 |
本研究は、暗黒物質検出器に用いられる希ガスから、暗黒物質探索実験のバックグラウンドとなる放射性不純物ラドンや、発光特性を減衰させる不純物を除去するために、極低放射能の吸着剤モレキュラーシーブス(MS)を独自に開発し、暗黒物質探索の感度向上を目指す研究である。特に、放射性不純物であるラドンの吸着を目標とする。 まず、極低放射能のMSの製作と、製作したMSの放射能の評価を実施し、材料の選定で、極低放射能モレキュラーシーブスの製作は可能であることが分かった。その後、材料の再選定と、製作工程の検討により、実際の暗黒物質探索実験の使用可能な、より放射能の少ないラドン吸着用MSを開発することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、ガスを用いた暗黒物質探索実験は、トンスケールの大型検出器 (XMASS, XENON)や、方向に感度を持つ検出器(NEWAGE, DRIFT)など、大型化、多様化が進んでおり、ガスの純化は、暗黒物質探索実験の感度向上のために非常に重要である。本研究のアプローチは、これらのガスの純化に大きく貢献するものである。実際、本研究で開発されたMSによるガス中からの不純物除去研究が進められている。また、モレキュラーシーブの用途として、暗黒物質探索実験に使われるという基礎科学への貢献ということについての新たなフロンティアを開くものとなった。
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