研究課題/領域番号 |
19K03914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大塚 雅昭 京都大学, 理学研究科, 特定助教 (70399286)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 惑星状星雲 / ダスト減光 / 元素組成 / 三次元面分光 / 多波長分光 / 星周物質 / 星間物質 / 分光観測 / 多波長観測 / 銀河化学進化 / 質量放出 / 化学組成 / 恒星風 / 面分光観測 / 多波長 |
研究開始時の研究の概要 |
銀河の化学的進化は、恒星進化末期の大規模な恒星風質量放出と星間物質(ISM)間の物質循環の結果である。老齢な銀河では、恒星風質量放出とISMに含まれるガス・ダスト質量は同程度とこれまで考えられていた。しかし、最新の観測研究は、全恒星ガス・ダスト質量は全ISMのそれの10%以下、90%以上はミッシングマスと報告している。ミッシングマス問題が未解決であるのは、中小質量星における恒星風質量放出が未だ定量的に解明されていないためである。そこで本研究は、中小質量星の進化末期にある惑星状星雲の星周殻内の原子/分子ガス・ダストの三次元物理量分布を調査し、中小質量星における恒星風質量放出の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は惑星状星雲の紫外-遠赤外線三次元分光データを使い、中心星付近から星間物質にまで広がる星周殻内の原子/分子ガス・ダストの完全な三次元物理量分布調査から中小質量星における恒星風質量放出の定量的解明を目指すものである。2022年度の研究ハイライトは以下のとおり。 - 惑星状星雲IC2165の研究:2021年度に開発した高角分解画像再構築を駆使し、惑星状星雲のIC2165の物理量分布を調査した。達成角度分解能は1.3秒角、点拡散関数が全波長で完全一致しているガス・ダストの物理量空間分布を明らかにした。ガスとダストの両方の物理量を「可視データのみ」で算出した先行研究はなく、本研究が世界初である。研究成果は2022年4月に王立天文学会月報誌で出版した。 - 惑星状星雲NGC3132の研究:JWSTで取得したデータで惑星状星雲NGC3132を調査し、星雲の形状は既知の中心星と2-3つの伴星間相互作用によることを明らかにした。また、観測衛星ガイアのデータと組み合わせることで、親星質量の特定に成功した。研究成果は2022年12月にネイチャーアストロノミー誌にて出版し、NASA等を通じて国際プレスリリースした。 - 完全データ駆動によるダスト減光補正法とプラズマ診断の確立:輝線星雲のプラズマ診断を正確に行うには、観測スペクトルのダスト減光補正を正確に行う必要がある。ダスト減光量決定にはプラズマ診断の結果である電子温度・密度が必須であり、ダスト減光補正とプラズマ診断を包括的に反復計算することで最適解を求める必要がある。研究プロジェクトの効率向上をも目指し、一切の仮定を排除した完全なデータ駆動によるダスト減光補正とプラズマ診断の新手法を確立した。確立した手法を惑星状星雲NGC7027でテストした結果、2次元ダスト減光/電子温度・密度/イオンアバンダンスマップ等を一度に取得することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属先の人員が一時的減少により共同利用運用業務が増加したため、本プロジェクトに当てることができた時間は2021年度に比べると減少したが、研究プロジェクトの効率向上のための新規アナリシス手法の開発に成功し、プロジェクトに関連する査読論文を7篇出版することができた。よって現在までの進捗状況は「おおむね順調」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は本研究で開発した手法を駆使し、惑星状星雲NGC7027を含む2-3天体について物理量空間分布の調査を行う。また、査読論文3篇出版を最低目標とする。2023年9月初旬に解されるIAU主催の惑星状星雲国際学会「Planetary Nebulae: a Universal Toolbox in the Era of Precision Astrophysics」にて本研究プロジェクトの成果発表を行う予定である。
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