研究課題/領域番号 |
19K03915
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内田 裕之 京都大学, 理学研究科, 助教 (60589828)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | X線天文学 / 超新星残骸 / 恒星進化 / 超新星爆発 / X線 / X線精密分光 / 精密X線分光 / 電荷交換 / 共鳴散乱 / 天文学 / 超新星 |
研究開始時の研究の概要 |
大質量星が超新星爆発を引き起こすメカニズムは現在もわかっておらず、天文学上の重大な未解決問題である。ここ数年の大きな進展として、重力崩壊型の爆発に成功する理論計算が現れるようになった。それらの研究によると、星の質量の僅かな違いが爆発の成否を左右する。しかし、こうした質量依存性が観測事実とどのように整合するかは、まだ十分に検証されていない。申請者は、星の質量の違いが、外層の炭素・窒素・酸素の生成量に反映される点に注目した。本研究では、大小マゼラン雲の超新星残骸のX線回折格子データを使って、これまで難しいとされてきた炭素・窒素・酸素の組成比を初めて網羅的に測定する。
|
研究成果の概要 |
研究期間中に予定通りRGSで銀河系内外の超新星残骸を観測し、炭素・窒素輝線の分光を行った。結果として例えばRCW103の窒素酸素比から親星の質量だけでなく、回転速度や対流のオーバーシュートなど、爆発前の星の状態を明らかにすることができ、恒星進化モデルを使った手法の確立も行えた。他の残骸に応用可能であり、また以上の研究で派生的に電荷交換反応や共鳴散乱などを多数発見し、十分な成果を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、星がなぜ超新星爆発を起こすのか、どのような星が爆発し中性子星を残すのか、という天文学上の重要な問いの一つに、爆発前の星が残した星風の元素量から明らかにする新手法を提案している。結果として、星風に含まれる窒素や酸素の比から、爆発前の星の質量や回転速度、また対流の状態(星の内部状態)まで明らかにできることを示せた。いずれも、既存の研究では推定が困難で得ることの難しかった情報である。今年度に日本が打ち上げるXRISM衛星は、窒素や酸素の輝線をこれまでにない精度で検出することができるため、上記の根源的な問いに答えられる手法を確立した点で本研究は大きな意義がある。
|